会社の1年後輩のＫ田くんは大のカメラ好き。先日話をしていたら「今度ハッセルを中古で買おうと思っているんですよ」とのこと。レンズからケースまで一式揃えたら相当高額になると思うのですが、知り合いのカメラマンから譲り受けるということで、かなり安くしてもらえそうとのこと。「いくら？」と聞いたら「48万円」だとか。

　これを「安い！」と思うのは、カメラを知っている人だけで、普通はそんな使い勝手の悪い中古カメラに約50万円も払うなんて信じられないことでしょう。しかし、本人は「ライカにはまる方が大変ですよ」とのこと。ライカは集め始めたら果てがないそうです。カメラ道楽は金がかかります。

　会社の1年先輩のＮ山さんはギターおたく。とにかくギターが大好きで、次々と購入してしまうので、すでにウン十本も所有しているとか。自宅だけでは置き切れずに、いろいろなところに数本ずつ隠してあるらしいのです。腕は所詮2本しかないのだから、そんなにギター持っていたって仕方ないでしょ、というのは、もちろんマニア魂を理解できない人の言葉。1本数十万円もするギターを何本も並べて次々と弾いてみるのが、Ｎ山さんの至福の時なのです。

　会社の2年後輩のＦ本くんは大のクルマ好き。それも高級車が大好きで、今までポルシェ、ベンツ、アルファロメオ、セルシオなど2〜3年で次々と買い替えています。現在乗っているベンツも古くなってきたので次なるターゲットを探しているそうです。先日はジャガーXJに試乗したとか。約800万円するクルマは「まあそれなり」だそうです。ベンツの新しいＥクラスと、BMWの新しい7シリーズを見てから決めるそうです。ただの妻子持ちのサラリーマンでここまで豪快に道楽できるのは逆に大したものです。

　会社の3年先輩のＮ島さんは酒好きで、ほぼ毎日飲みに行っています。月にかかる飲み代が外で約10万円、家で約5万円。合計月15万円も飲んでしまっています。海外旅行もゴルフもしないし、カメラにもギターにもクルマにもとりたてて興味がない人ですから、酒代くらいはと考えているようですが、年間180万円も飲んでしまうとは恐ろしい話です。

　それに比べて、テニスなんて本当に金がかかりません。ラケットを年に1本買っても3万円。シューズも年に1足で1万円。ウェアはせいぜい年に2〜3万円。コート代はまちまちですが、平均すれば1回500円程度で年に100回だから5万円。合宿とかリゾート大会で年に10万円。合計しても20万円少々です。多分普通のテニス愛好家としては、かなりお金をかけている方だと思いますが、それでも年間20万円。ハワイ旅行1回、ゴルフなら8回、飲みに行けば30回に過ぎません。

　道楽に金をかけるのは楽しいものです。ケチケチとした道楽なんて、その醍醐味の半分しか味わっていないと思います。僕はテニスに対してはケチケチしたことは全くありません。でも、大した額にならないからこそ、いつまでもテニスを楽しんでいられるのです、って、誰に言い訳しているんだか。

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