幹事クリタのコーカイ日誌2002

 
 3月12日 ● 国会ワイドショーの陰で。

 国会がこれほど注目を浴びたのは久しぶりのことでしょう。鈴木宗男の証人喚問中継はかなりの視聴率を挙げたのではないでしょうか。小泉内閣誕生以後、ワイドショー化しつつある政治を象徴する出来事として記憶されるべき騒ぎです。

 確かに鈴木宗男を面白いキャラクターです。マンガにしか出てこないような古典的な悪徳政治家。喚問でもしれっとした顔で「反省」を繰り返し、都合が悪くなると「記憶にない」と言い逃れる。ある意味、期待通りの受け答えに終始して、その悪役ぶりを見たがっていた視聴者も満足したことでしょう。

 しかし、鈴木宗男がこれだけ取り上げられるその陰で、いろいろな政治的課題がうやむやにされてしまうのではないか、という心配が多分にあります。まず鈴木宗男に近いところから言えば、外務省は彼をスケープゴートにして自分たちの問題はうやむやにするつもりではないでしょうか。外務省自体が「伏魔殿」のはずなのに、鈴木宗男ひとりに混乱の責任を全て押しつけて知らん顔しているとしか思えません。

 もちろん、前事務所代表が所得税法違反で逮捕された加藤紘一も、鈴木宗男の陰に隠れていますが、本来ならさっさと離党・辞職すべきでしょう。そして、支持率急落中の小泉首相も、鈴木宗男さえ切っておけば内閣は安泰などと思っていられては困ります。一時的には鈴木宗男というトリックスターに目を奪われている国民も、しばらくすれば「構造改革はどうなった」「景気回復を早くしろ」とせっついてくることは確実です。

 それまで鈴木宗男で時間稼ぎをしよう、などという姑息な作戦を考えているのだとしたら、とんでもない話です。小泉首相が手をこまぬいている間に、どんどん日本経済は落ち込んでいます。噂された「三月危機」は逃れそうですし株価は回復しているとは言え、小泉首相自身の「聖域なき構造改革」の公約はなにも実現していません。いま国会で議論すべきは、鈴木などという小物の政治家のことではありません。それを忘れて、あまり面白がってばかりいるのも考えものでしょう。

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