大相撲初場所で12勝を挙げて、ここ3場所の星勘定だけなら大関昇進の可能性もあった琴光喜ですが、あっさり昇進は見送られてしまいました。平幕力士にコロッと負けるなど、相撲内容が悪いということが最大の理由ですが、もちろん現在大関が4人もいる上に、出島や雅山があっさり大関から陥落したことから、環境的にも厳しくなっているという不運もありました。

　ただ、琴光喜にとってこの昇進見送りは、より大きく成長するために必要な回り道だと考えられます。過去にも保志（北勝海）や貴花田（貴乃花）らが、同じように大関昇進を見送られたことがありましたが、その甲斐あって大関でとどまらず最高位まで登り詰めることができました。琴光喜もぜひ先輩たちのように横綱を目指して今は力を蓄えて欲しいものだと思います。

　相撲だけではなく、世の中にはこうした必要な回り道、もしくは失敗から学ぶということが少なからず存在します。新入社員に雑務をやらせたり、販売の最前線に配属させたりすることも、そういった経験を積むことが回り道に見えて実は将来役に立つと考えられているからこそです。

　またどんな仕事でも陥りやすい失敗というものがあります。失敗するとわかっていて敢えてその体験させることも教育のひとつです。頭で理解しているのと実際にカラダで覚えるのとでは、全然身に付き方が違うからです。一度体験してみないとわからない人は、回り道とわかっていてもやらせなければならないこともあります。

　ただ、厄介なことに世の中には学ばない人とか懲りない人というのも確かに存在するのです。次々と新興宗教に入れあげる人とか、同じようなタイプの男に何回でも騙される女性とか、盗撮だのクスリだのを繰り返す芸能人とか。雪印食品の人たちも、同じ雪印グループであれほどの事件があったにも関わらず、その失敗から何も学んでいなかったという意味では、マーシーと大差ないですね。

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