俳人の正岡子規が野球殿堂入りをするそうです。殿堂入りと言えば、かつての名選手や指導者がなるものだと思っていましたが、今年から新設された「新世紀特別表彰」で殿堂入りが決定したのだとか。なかなか粋なはからいだと思います。

　子規の野球好きは有名で、日本に野球の楽しさを広めた草創期の大貢献者です。たくさんいる「普通の」一流選手などよりも、はるかに野球界にとってその功績は大きいと思いますし、それを認めた今回の殿堂入りは、久々に聞いたクリーンヒットでしょう。

　ところで正岡子規と言えば、いまビッグコミック・スピリッツで連載中の『日露戦争物語』（江川達也）です。この作品の主人公は日露戦争の時の海軍参謀・秋山真之ですが、その親友として正岡子規が登場しています。作品についての詳しいことは、こちらで読んでいただくとして、ここで描かれている子規の何とも言えないほのぼのしたキャラクターが、とても魅力的です。

　連載ではまだ子規が野球に触れるようになる前、東大予備門に通っているあたりですが、この先、子規と野球との絡みがどう描かれるのかも楽しみです。

　ところで、今回殿堂入りしたかつての名選手は、山内一弘、鈴木啓示、福本豊、田宮謙次郎の4人ですが、先の3人はともかく、田宮は目立った記録やエピソードを持っていないために、紹介文にマスコミが困っている様子が面白かったですね。「長嶋茂雄の三冠王を防いだ」なんて肩書きでは、本人もちっとも嬉しくないでしょうに。

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