まさかと思った星野阪神監督が本決まりとなり、焦点は星野の腹心である島野中日二軍監督が阪神へ移籍するかどうかに移りました。星野としては、島野は大事なスタッフですから、どうしても必要ということのようですが、もちろん中日球団としては「はいそうですか」と素直に聞ける話ではありません。すでに来季の構想に入っているチームの幹部ですし、そもそも一軍と二軍の監督がいきなり翌シーズンからライバルチームへ移籍するなんてバカな話を、素直に受け入れて負けでもしたら目も当てられません。

　さすがの星野も中日球団や名古屋のファン、財界などにあまり悪い印象を持たれても今後困るので、円満に島野移籍を実現したいことでしょう。しかし、阪神監督になっただけで怒っているファンだって数多くいるのに、この上、自分のワガママで島野を引き抜いて山田新監督の足を引っ張るような真似をしたら、多分名古屋は一丸となって「可愛さ余って憎さ百倍」に変わる可能性が高いと思います。「なに手前勝手なこと言ってやがる」という声がすでに高まっているのを、星野は感じていないのでしょうか？

　ただ難しいのは、もし島野を中日に残したとしても、本当は他チームの監督の下で働きたいと思っている二軍監督が、果たしてチームの役に立つのか、ということです。少なくともチームの士気に大きく関わることは間違いありません。二軍の選手にしてみれば、そんな監督に注意されたり叱られたりしても釈然としないことでしょう。

　そう考えると、無理に島野を中日に引き止めても仕方ないとも思われます。今から二軍監督の適任者を探すのは大変かも知れませんが、ここは譲って阪神と星野、島野に貸しを作り、後々の商売に役立てるのが一番じゃないでしょうかね？例えば阪神との間で、中日に有利なトレードを実現させるとかね。もっとも今の阪神には中日が欲しい選手なんて見当たらないからダメだけど。

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