幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 12月2日 ● 新宮の悩み。

 ようやく新宮が誕生しました。日本国民こぞってお祝いをしている、という雰囲気でマスコミが大騒ぎしていますが、僕の見るところ「ふーん、生まれたの」程度の関心しかない人が結構多いような気がします。喜んでいる人の多くも「これで景気が良くなるかも」とか言っている人だったりして、あくまでも経済効果を期待しての祝賀ムード半分だと思います。

 それなのに、相変わらずマスコミは皇室関係になると過剰反応するのはどういうわけでしょうか?冷静にしていると右翼から抗議でも来るのかな、と疑いたくなるくらいのはしゃぎっぷりにはうんざりしてしまいます。夜のゴールデンタイムもテレビ東京とNHK衛星第一以外は全部関連の特別番組。BS1はサッカーW杯抽選会の中継でしたから、唯一通常番組で頑張っていたテレビ東京には「さすが」と大きな拍手を送りたいと思います。だって「生まれた、女の子だった、母子ともに健康」という三項目さえわかれば、後はどうでも良いんだから。どうせ特番を組むならジョージ・ハリスン追悼番組でも組んで欲しかったですね。

 さて、問題は生まれたのが女の子だったということです。マスコミは「がっくり」という雰囲気を懸命に隠そうとしていましたが、そこはかとなく伝わってくる「女だったよぉ」という落胆したお父さんのような表情に僕は笑ってしまいました。男だったら何にも問題ないのになぁ、と言わんばかり、でもそんなこと口に出して言うわけにもいかず、という微妙な表情です。

 僕は女の子だったことを素晴らしいと思っています。これでいよいよ本気で皇室典範の改正に取り組まねばならなくなったからです。いまどき「男に限る」なんてことを明文化している時代錯誤な取り決めはさっさと変えるにこしたことはありません。これが男の子だったら確実に問題は先送りされていたことでしょう。しかし、高齢な皇太子妃の健康を考えると、女だったからもう一人とも言えないでしょうし、まさか21世紀に側室をおくこともあり得ないですから、ここまで事態が追い込まれた以上、もはや逃げることはできないでしょう。

 ただ、もっと本質的には天皇制自体がもはや時代錯誤だと思います。天皇を国民統合のシンボルとして利用できるメリットは認めるとしても、政治的に利用されるリスクや、特にアジア諸国との外交上のネックになるデメリットを差し引けば、決して日本にとってお得な制度とも限りません。

 なにより、いまどき生まれながらに参政権もなく、職業選択の自由も居住の自由も奪われて、ひたすら国家のために奉仕することを強制されている人間を認めるなんて、明らかに基本的人権を侵害しています。せめて、自由に天皇家から出て普通の人になることができる制度を作らなければ、彼らの一生は永遠に国家に縛られた奴隷です。生まれたばかりの新宮も、十数年後にはきっと自分の人生は何なんだろう、と悩むことでしょう。今の天皇や皇太子だって悩んだかも知れませんが、女性であるだけに彼女の悩みはより深いと思われます。

 まあそうは言っても、新宮が天皇になるまでには、まだ数十年の時間が必要でしょう。それまで日本の天皇制が今のまま続いているかどうかは全くわかりませんから、もしかしたら彼女の悩みも解決されているかも知れませんが。

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