幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 11月20日 ● ナベツネの正論。

 ニッポン放送が横浜の実質上のオーナーになったことで、渡邊恒夫読売オーナーが噛みついています。ニッポン放送のフジサンケイグループがヤクルトの株も20%保有していることが野球協約違反であるとクレームをつけているのですが、これは確かにナベツネの言う通り。すんなりと認めてしまったコミッショナーに問題ありです。

 あまつさえ横浜とヤクルトの業務提携なんて話まで出てきていたそうで、そんなことをしたら八百長と言われても仕方ないでしょう。同じリーグの在京球団が仲間になって試合をするなんて、そんな馴れ合いを見せられるファンはたまったもんじゃありません。片方が優勝争いをしていたらわざと負けてやったり、お互いに選手獲得も協力して融通しあったりされたら、誰がそんな野球を見に行くのでしょうか。ナベツネならずとも怒るのは当たり前です。

 もちろんナベツネはただ義憤にかられて正論を主張しているわけではありません。これは読売対産経の企業抗争であることは誰の目にも明らかです。今まで読売が支配してきた日本のプロ野球に、産経が対抗しようとして仕掛けている戦争なのです。

 何十年にもわたってメディアを通じて巨人を人気球団に仕立て上げ、その人気をバックにプロ野球機構を恫喝してきたのが読売の歴史です。なにかあればすぐに「脱退・新リーグ結成」をちらつかせてFAや逆指名などを実現してきた巨人ですが、今後はフジサンケイグループが同様の手口でヤクルトと横浜を盛り上げようとしているのは見え見えです。すでにヤクルトはここのところのフジテレビの熱烈バックアップで、すっかり巨人に次ぐ人気球団に成長しつつあります。今の時代、古田や高津、石井のようにやたらとテレビに出れば、自然と人気は上がります。今後は横浜の選手もばんばんメディアに登場してくるのでしょう。

 僕は本来メディアがチームを持つべきではないと思います。公正を期すべきメディアが、自社チームをむやみと応援するような報道をすべきではありませんし、結局「御用メディア」になってしまうので、それはメディア全体の信頼性を損なうものでもあります。読売の弊害は語り尽くされている感がありますが、名古屋における中日だってそのミニチュア版です。決して誉められた態度ではありません。

 しかし多チャンネル化の時代に入り、各メディアはコンテンツの開発に全力を注いでいます。その時に自社球団を持っていることの強みははかりしれません。今回の騒動がどう決着がつくかわかりませんが、そのうち各球団が全てメディアのひも付きになることだってあり得ないわけではないと思います。ま、いっそ公正にみんなメディアとの系列化が進んでしまった方が、今までの読売独占状態よりはまだマシではありますけどね。

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