幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 10月16日 ● 小泉孝太郎。

 小泉首相の息子・小泉孝太郎がCMに出ています。それもこれでもか、とばかりに自らの名前を呼び上げての登場。まるで小泉孝太郎が選挙に立候補でもしたのかと見紛うばかりのCMで、これで酒が売れるのかな、と広告主のサントリーのことが心配になるほどです。

 かつても似たような手法のCMがなかったわけではありません。「広末涼子、ポケベル始める」と、まだ無名に近かった広末涼子はいきなりNTTのCMで名前を売り出されて大ブレーク。葉月里緒奈も新人の時にロッテのCMでいきなり自己紹介をしていました。

 しかし、彼女たちと小泉孝太郎では手法は似ていても、実は効果が全然違うことは明かです。広末や葉月の場合は、こんな可愛い魅力的な女の子がいるんですよ、彼女たちと一緒にこの商品を愛してくださいね、という広告主からのメッセージが込められています。まだ知られていない原石のタレントの魅力と、商品の魅力をオーバーラップさせて、ファン作りをしようという戦略なわけです。彼女たちのファン層と商品の購買層が直接に結びつくのはもちろんです。

 ところが小泉孝太郎の場合は、「首相の息子」という記号性だけで話題を作っています。タレント本人の魅力ではなく肩書きが売り物だけに、それが商品とストレートに結びつかないのが難点です。「ほぉ、こいつが例の首相の息子か」と思ってCMを見たとしても、だからと言ってじゃあビールを買おうか、という消費行動には結びつきません。

 まあサントリーはいいでしょう。広告上手な大企業ですから、こういう話題作りだけのCMをする余裕もあると思います。サントリーという会社全体から見れば、これで小泉首相との間に何らかの好意的な関係が保たれるのだと考えれば、CMの一本や二本作ったところで痛くも痒くもありません。

 問題は小泉孝太郎です。「首相の息子」でCMやバラエティやドラマに出演できるかも知れませんが、その先は本人の資質と努力に関わってきますし、どういう方向に進みたいのかによっては「首相の息子」がかえって首枷になりそうな気がしてなりません。小泉が退陣した折りには、「たけし軍団」にでも入れてもらい“らいおん七光り”とかの芸名で、なべやかんとコンビを組んだらいかがでしょうか。

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