ご存知レオタードの女性陣（男性もいますが）が踊る武富士のＣＭ。長年オンエアされているし、『笑う犬の生活』では「センターマン」としてパロディもされているので、認知率の高さはかなりのものでしょう。

　いつからあのダンスのＣＭをやっているのか、すでにわからないほど定着している武富士のＣＭが実はリニューアルされました。多分今月からではないかと思われます。ちょっと古臭かったレオタード姿もすっきりと、ダンスの振り付けも変わりました。音楽は同じですから「あ、武富士だ」というのはすぐにわかりますが、見た目にはかなり新しくなった感じがします。

　もちろんこれはＣＭにおける正常進化です。せっかくこれだけ定着しているのだから、音楽は生かして、でもいかにも古臭くなったビジュアルは新しくする、というのは王道のやり方です。理屈の上では。

　でも本当にこれでＣＭとしてインパクトがあるか、と言われると、どうも僕にはパワーダウンしたようにしか思えません。武富士のＣＭが話題になったのは、まっ当にそのクリエーティビティを評価されたからではありません。「なんか変」ということが少しずつ認知されていって、ある意味、時間が経てば経つほど熟成されるというか発酵していき、より「変」なパワーが増してきたわけです。

　なのに、それを見た目だけ新しくしても、それは折角熟成したものを中途半端に新しくしただけ、という気がしてなりません。どうせ変えるのなら、また当分の間「今度の武富士のＣＭって変だよな」と言われるような全く新しい「変」パワーを作り出さないと、今までのＣＭには勝てないんじゃないかと思います。

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