幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 7月23日 ● 快適化する葬式。

 会社の先輩が亡くなりました。以前から病魔と戦っていたので、突然という訳ではありませんが、まだまだ働き盛りだっただけに無念の思いが残ります。ここでその方のことを偲んだ文章を綴っても、あまり意味がないような気がするので、初めて出席した“21世紀の葬式”の感想など書こうと思います。

 葬式は都心にある新しい葬儀場で行われました。昔は田舎の寺とかで真夏に葬式があると、汗だくになりながら遠路はるばる出かけていって、時として日陰もないような場所でずっと立って読経を聞いていたものですが、今回は地下鉄駅を出て目の前にある近代的なビルです。良く効いた冷房の中、ちゃんと座ってとても快適に参列できました。椅子の背中には荷物掛けまで付いているし、そもそも受付がまずタッチパネルで登録をして、プリントアウトされたカードに名前や住所を書き込んで提出するのです。葬式に来たのか役所に書類を提出に来たのかわかりません。

 葬儀屋がまた随分と元気だったのにも驚きました。亡くなったのがまだ現役ばりばりの人だけに、出席者が多く仕切るのが大変だったという事情はあるにせよ、葬儀屋なんて職業柄、昔から陰気で目立たないというのが定番です。それが今回はヤクザかと見紛うような派手なオヤジと、やたらと靴音を響かせ背筋を伸ばして歩くキャリアウーマン風のオバサンが仕切りまくりです。葬儀屋ももっとプライドを、みたいな業界内キャンペーンでもあったのでしょうか?

 演出も手慣れた感じで、少々過剰。「さあ泣け」と言われているようなところもあって、かえってそれが白けてしまう気もしました。とは言え、葬式は葬式。いくら快適になり、システマティックに進められようとも、残されたものの悲しみは変わりようがありません。特にこの年齢になると、死が身近になってくるだけに「順番」なんて言葉が浮かんできて、余計にしみじみとしてしまいます。


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