幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 7月13日 ● グローバル化するスポーツ興行。

 イチローがヒットを放ち佐々木がセーブを記録した今年のメジャーリーグ・オールスター戦。まさに地元マリナーズのためにシナリオを書いたような試合展開でしたが、引退する鉄人リプケンの見事な本塁打もまた伝説になる一撃で、改めてメジャーリーグベースボール(MLB)は、世界最高の野球リーグであることを見せつけました。

 今年とりわけ目立ったのが外国人選手です。イチローや佐々木の日本選手だけではなく、サミー・ソーサやペドロ・マルティネスらプエルトリコを始めとする多くの中南米選手、そして韓国の朴もイチローと対決しました。まさに世界中から集まってきているという印象です。

 実際、現在のメジャーリーグは外国人選手枠などないので、世界各国の選手が寄り集まってきています。メキシコやプエルトリコはもとより、中南米、東アジア、ヨーロッパ、オセアニアの選手が各チームで活躍していて、その様子はいわば世界最高峰のサッカーリーグであるセリエAを彷彿とさせます。

 これは明らかに「勝ち組」の戦略です。優秀な人材を揃えて最高の成果を示し、ブランド力を上げて金を集めてさらに優秀な人材が集ってレベルが上がる。このパターンに入れば、ブランド力を維持することにさえ気をつけていれば、ずっと勝ち続けることが可能になります。

 オリンピックやサッカーW杯を筆頭に、現在のスポーツ興行は全てこの「ブランド力」の大小によってビッグビジネスになるかどうかが決まります。メジャーリーグは外国人に広く門戸を開放することで、世界中のスタープレーヤーが集まる最高峰のリーグとしての地位を確固たるものにしつつあります。

 それに比べて日本のプロ野球はどんどん偏狭な世界に閉じこもろうとしているかのようです。「ブランド力」は落ちる一方で、日本の野球プレーヤーは明らかに「日本よりメジャー」という物差しを持ちつつあります。そして「いつかはメジャーへ」と思っている選手は、「たかが」日本のペナントレースのために「腕も折れよ」と投げたりはしませんから、ますます日本野球は魅力のないものに変質していきます。

 野茂、佐々木、イチローの活躍で、日本のプロ野球のレベル自体の高さは証明されています。だったら、このままメジャーリーグの下、という位置に甘んじるのではなく、外国人枠を撤廃し、もっとメジャーと相互交流を推進し、サッカーにおけるセリエAに対するスペインリーグやプレミアリーグのような地位を獲得することだと思います。そしてヨーロッパ選手権やW杯のように、メジャー代表と日本代表がガチンコで勝負できるような舞台をこしらえることが、「世界に通じる」野球への道だと思います。

 スポーツ興行におけるグローバル化は避けて通れないだけに、早く方向転換することが生き残りの最善策なのですが、今の日本野球界にそれがちゃんと理解できているオジサンがどれだけいるのか、またいても実際に動かす力があるのかどうか、とても僕は悲観的です。

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