7年間にわたって名古屋グランパスエイトのみならずＪリーグの至宝でもあった“ピクシー”ことストイコビッチも、いよいよこのファーストステージ限りで引退します。残り3試合、ホーム瑞穂での試合も2試合となったので、昨晩の清水エスパルス戦を見に行ってきました。

　現在3位と4位の対決とは言え、すでにジュビロ磐田が優勝を決めてしまったため、この試合は消化試合。それでも13000人を超えるファンが瑞穂に集まったのは、ひとえにピクシーのプレーを見るためでしょう。

　試合自体は前半から清水が押し気味の展開でしたが、福田がカウンター一発でゴールを決めて1-0でリードします。さらに後半早々に清水の日本代表DF戸田が2枚目のイエローカードを貰ってしまい退場、これでますます名古屋有利になりました。

　ところが前半から変わらず試合は清水優勢。どちらが人数的に優位なのかわからない試合展開に。挙げ句にアレックスに見事なシュートを決められて同点。名古屋サポーターのイライラが頂点に達しました。

　しかし、この後に名古屋は思いきって両サイドバックを交代させます。これまでセンターからしか攻めていなかった名古屋は、ここからサイドをえぐる攻撃を積極的に展開して流れを掴みます。惜しいシュートが続いて得点こそ入らなかったものの「いけるぞ」という雰囲気のまま同点で延長戦に。最後はピクシーが見事なパスからゴールを演出してVゴール勝ちしました。

　この試合のピクシーは手抜きもせず約120分近くをずっと走り続けていました。見事なトラップ、ドリブル、パスは相変わらず。僕はこの7年間で結構ピクシーのサッカーを見てきましたが、衰えを感じさせないその技術には感動しました。

　プロ野球では「生長島」「生王」「生野茂」「生イチロー」などのスーパースターを見てきましたが、サッカーでは「生ピクシー」がやはり最高です。つくづく、Ｊリーグ制覇を果たせず引退してしまうのが惜しまれます。

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