幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 7月10日 ● イワニセビッチ4度目の正直。

 21世紀最初のウィンブルドン男子シングルス決勝は、実にドラマティックな試合になりました。ファイナリストの2人はともに初優勝を狙うベテラン同士。オーストラリアのパトリック・ラフターは、現役最高のサーブ&ボレーヤーで、過去に全米オープンを2度制覇しています。準決勝では最高のリタナーであるアンドレ・アガシを激戦の末に振り切って、満を持しての決勝進出です。

 対するクロアチアのゴラン・イワニセビッチは、現役最高のビッグサーバー。過去の最高ランク2位、ウィンブルドンで90年代に3度決勝進出を果たしながら、アガシ、サンプラスのアメリカ勢に優勝を阻まれています。今回はランキングを落としているので、なんとワイルドカード(主催者推薦)での出場。しかし、準決勝ではイギリス期待の星、ティム・ヘンマンとの3日間に渡る死闘を制し、遂に4度目の決勝進出です。

 ともにサービスゲームには絶対の自信を誇る2人だけに、ひとつのブレークが命取りになる展開です。第1セットから交互にセットを取り合ってのファイナルセット。お互いに譲らずサービスキープが続きます。6-6、7-7とお互いピンチを凌いで迎えた第15ゲーム、イワニセビッチのリターンとパスが冴えて、遂にラフターの牙城が崩れます。

 しかし、あと1ゲームが苦しいイワニセビッチ。ここまで大会史上最高のサービスエース本数を決めてきた彼が、緊張のため強張っているのがわかります。最初のポイントで良いサーブが入ったにも関わらず浮いたリターンを叩きにいってバックアウトしてしまいます。サーブが入ればポイントが取れるのですが、緊張のせいかミスを連発。完全にひとり相撲を取って勝手に苦しくなっていくイワニセビッチ。それでも何とかチャンピオンシップを握りますが、そこでまたダブルフォルト。2回、3回と握るチャンピオンシップポイントですが、なかなか最後の1ポイントを決めることができません。

 それでも遂に結末は訪れました。勝利を得てコートに倒れるイワニセビッチ。起き上がった彼の目には涙。14回目のウィンブルドン挑戦、4回目の決勝進出で初めて獲得した栄冠です。かつてヤナ・ノボトナが、3回目の決勝戦で遂に勝利を掴んだ瞬間を彷彿とさせるイワニセビッチの姿でした。


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