中田英の見事なフリーキックで取った1点を守りきってオーストラリアに勝った日本。いよいよ日曜日に世界1位のフランスと決勝戦です。素晴らしい快挙だと思います。ファイナルまで進んだのですから、すでに現時点で長らく日本サッカーが引きずってきた「メキシコ五輪銅メダルの快挙」を凌駕する成績ですが、願わくばフランスに先頃の0-5の屈辱をホームでお返しできるような試合をして、優勝して欲しいと思います。

　ところが残念なことに、決勝戦に日本はまるでベストメンバーからほど遠い布陣で戦わなくてはなりません。もとより名波も中村も欠いてはいるのですが、準決勝でシンデレラボーイの鈴木がレッドカードを貰ってしまい出場停止、ディフェンスの中心である森岡の怪我の具合も心配、そして肝心要の中田英がイタリアに帰ってしまうことになったというのです。

　確かに自分のクラブが優勝する時に一緒にいて喜びを分かち合いたいという気持ちはわかります。このコンフェデレーションズカップに多くのトップ選手が来ていないのもそのためです。しかし、日本代表だって日本サッカー史上の歴史的快挙となるような決勝戦なのです。ここで優勝することの意味の大きさは測りしれません。そして、優勝が決まったも同然のローマは、中田英がどうしても必要なわけではありませんが、奇跡的な優勝を狙う日本には中田英は絶対に必要な選手なのです。

　テレビでベンゲルが言っていました。「中田英はイタリアで優勝パーティに出るよりも、日本で優勝するためにピッチに出るべきだ」と（正確ではありませんが、そんなような意味でした）。まさにプレーヤーとして求められている場所はどちらなのか考えるまでもないでしょうし、また中田英自身が選手としてより高く評価されるためにも、決勝戦に出場して欲しかったと残念に思います。 　

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