幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 5月25日 ● 小説『秘密』と映画『秘密』。

 かつて角川書店の名コピーで「見てから読むか、読んでから見るか。」というのがありましたが、僕は基本的に「見てから読む」派です。小説は自分の中で想像をふくらませてしまいますから、実際にそれが映像化された時に、ついつい「顔が違う声が違うホクロが違う(なんでホクロかわかる人も少なくなってきているんだろうな)」と思ってガックリしてしまうからです。その点、先に映画を見た場合は、小説を読んでいる時も、そのイメージで読むことができるので違和感が少なくなります。

 もうひとつ、後から読む方が良い点は、映画で省かれた細かいエピソードや 背景が読むことでわかるので、より映画の理解も進むところです。これが逆だと、映画を見ながら「あのエピソードが省かれた」と怒ってしまいそうになるので、あまり映画を楽しめません。

 で、今回の本題ですが、東野圭吾の小説『秘密』です。1998年のベストセラーですが今月ようやく文春文庫から文庫化されて発売されました。で、本を買うと同時に1999年に広末涼子&小林薫で映画化された作品もビデオで借りてきて見たのです。ビデオの方はもっと早く見たかったのですが、何となく借りそびれているうちに文庫本が出たので、これは早く見なければと思ったわけです。

 映画の感想はこちらに書きましたが、 映画の方はなかなか切なくて素敵なラブストーリーに仕上がっていました。広末涼子の初主演作ですが、ドラマの広末よりもずっと良くて、少し彼女を見直しました。

 で、ビデオを見たので、早速小説に取りかかったのですが、これがまたなかなか。東野圭吾って、もう少し乾いた感じの作家かと思っていましたから、ちょっとびっくり。ああ、こういう芸風もあったのか、と、これまた見直してしまいました。

 小説は中年男性の視点から描かれていて、妻も娘もいる僕には極めてこの男性に感情移入しやすいのですが、これが妻の立場から見ると、また違った感想になるのでしょう。特にタイトル「秘密」のテーマになっているラストについての感想は立場によって受け止め方が違うのかも、と思います。久しぶりに深く心に刺さった小説&映画でした。
 

とりあえず、読むたびに(1日1回)


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