幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 5月10日 ● 子ども時代の記憶。

 三島由紀夫は生まれ落ちた時の記憶があると語ったと言います。天才・三島らしい逸話ですが、僕自身は多分2才くらいの断片的な記憶が一番古いものだと思います。東京オリンピックは3才の秋ですが、この時の女子バレーボール決勝戦のことは覚えています。テレビを見ながら両親が騒いでいたのを不思議そうに眺めていた記憶があります。

 3才以降、徐々に思い出も増えていき、幼稚園の頃のことなら起承転結のあるエピソードとして語ることができるような出来事もいくつかありますし、小学校以降はかなり鮮明にいろいろなことを覚えています。

 先日の小学校の同窓会では、誰が同じクラスだったか覚えていない、という連中が大勢いました。僕は誰が何年生の時のクラスメイトだったかを大体覚えているので驚かれますが、僕にしてみれば意外とみんな忘れやすいものなんだ、と逆に驚いてしまいました。中にはすぐ近所に住んでいた幼なじみのことすらすっかり忘れている奴もいて、どうやったら忘れられるんだろうと思いましたが。

 もっとも上には上がいるもので、同僚のMっちゃんなど小学校時代の記憶は皆無に等しいそうです。何組だったかとか担任の先生の名前とかは、まあ忘れていても特別不思議はないのですが、小学校時代の友達の名前すら全然覚えていないのです。思い出せるのは「トシアキ」と「ナカヤマ」だけ。すごく良く遊んだ友達なのに、この2人のフルネームすら出てこないらしいのです。もちろんそれ以外の友達の名前は全て忘れてしまったとのこと。友達の名前すら覚えていないのですから、九九なんて忘れているのも当然なのかも知れません。

 こうなると記憶喪失に近いですから、もしMっちゃんが小学校の同窓会に出たら大変です。なにも覚えていない同窓会は、単なる知らない人たちとの飲み会にしか過ぎません。いちいち「あなたは誰ですか?僕とはどういう関係でしたか?子どもの頃の僕はどういう人間でしたか?」と聞かねばなりません。まさに自分のルーツを探る集まりになってしまいます。

 もっともMっちゃんの記憶から完全にデリートされてしまっている小学校時代を、そうやって再形成するのも面白いかもしれませんけどね。とんでもない小学生だったことが徐々にわかってきた時のMっちゃんの顔が見たいものです。


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