幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 5月9日 ● 深草少将と風間杜夫。

 ドラマ『陰陽師』を見ていたら、昨晩は小野小町と深草少将が出てきました。深草少将と言えば小野小町を想って想って九十九夜通い詰めながら、百夜目に焦がれ死ぬという、ストーカー的ラブロマンスの登場人物である貴公子。実在したわけではなく伝説上の人物なのですが、僕のイメージでは、ちょっと細面で繊細な文学青年風な姿を想像していました。

 ところが、ドラマではどう見ても初老に近い太った脂ぎったおっさんでした。若くして恋に焦がれ死んだのなら、もっと爽やかでも良いはずなのに、一体どういうこと、とガックリきてしまいました。

 ドラマでは老いた小野小町の悲哀を描いているわけですから、その対比として深草少将も老けさせたのだろうとは思います。小野小町がおばあさんなのに、深草少将だけ若くては釣り合いがとれないからでしょう。でも、あまりにも深草少将のイメージとギャップがあるので、どうしてもそこが引っかかってしまって、素直にドラマが見られませんでした。

 もっと驚いたのはエンドロールでキャストが出てきた時。なんと老けた太ったおっさんは風間杜夫だったのです。全く気づきませんでした。不覚です。風間杜夫と言えば、『蒲田行進曲』の銀ちゃんや『スチュワーデス物語』の教官です。当時の風間杜夫なら、まさに深草少将のイメージにはぴったりと合います。

 しかし、花の色は移ってしまったのです。あの頃の男の色気を感じさせた風間杜夫も、今では単なるおっさんであることを、画面はしっかりと見せてくれました。テーマとキャストが微妙にシンクロする、なかなか味わい深いドラマでした。


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