幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 4月26日 ● 広告賞のハシゴ。

 世間一般にはあまり知られていないと思いますが、広告業界には大小数多くの広告賞というものがあります。ほとんどはイヤー賞で、前年(度)の広告について優れたものを表彰するということになっています。

 誰が一体広告なんてものに賞を出すんだ、というと、まず多いのは新聞社や雑誌社などのメディアです。朝日広告賞、読売広告大賞などが代表的なものですが、広告収入が大切なこれら媒体社は、たくさん広告を出してくれた広告主を表彰し、さらに今後もたくさん広告を自社メディアに出してもらうために賞を贈ってご機嫌を取るのです。もちろん、広告費をたくさん使ってくれた広告主を表彰するのでは、あまりにも露骨なので、あくまでも広告作品として優れていたものを表彰するという建前にはなっていますが。

 また広告業界内部で賞を出す場合も多くあります。これは大きく分けて2つあって、ひとつは広告協会や広告代理店などが広告主のご機嫌を取るため(ここは媒体社と一緒です)表彰を行う場合(広告電通賞など)と、コピーライターズクラブのような職能団体などが、自分たちの地位向上とPRのために表彰を行う場合(TCC賞、ACC賞など)です。あ、意地の悪い書き方をしていますが、もちろん優れた広告作品を顕彰して、広告の向上につとめるというちゃんとした目的もありますよ。

 表彰する側のビジネス上の目的はどうあれ、我々広告制作者にとっては、広告賞というのは自分たちの仕事を認めてくれるものですから貰って悪いものではありません。あまりに「賞狙い」な広告を作るのは本末転倒で抵抗がありますが(実はそういう広告も世の中にはたくさんあります)、真面目に広告主のことを考えて利益が上がるように作った広告が別のカタチで認められるのは嬉しいものです。

 で、長年やっていると僕のような無名コピーライターでも、たまにこうした賞の隅っこに引っかかることがあるのですが、今回たまたま入賞した2つの広告賞の表彰式が東京と名古屋で同じ日に重なってしまいました。片や東京のホテルニューオータニ、片や名古屋の中日パレス。時間は東京が11時から、名古屋が15時40分からということで、折角だから両方をハシゴすることにしました。なにせこんなこと、恐らく一生に一度でしょうからね。ネタにもなるし。

 朝8時48分の「のぞみ」で東京に向かい10時25分着。東京駅からタクシーを飛ばしてニューオータニへ10時55分に滑り込みました。贈賞式とそれに続くパーティに少しだけ顔を出して、12時55分にホテルを飛び出し13時21分の「ひかり」で名古屋に。名古屋駅に15時15分に着いて、15時40分ジャストに中日パレス着。まさに綱渡りのスケジュールでした。まるで売れっ子タレントみたい、なんて悦に入っていましたが、よく考えると広告制作者の個人賞である名古屋の方はまだしも、広告主が表彰される東京の方は出ても出なくても影響ないんだから全然大したことありません。自分で忙しくしただけでした。

 残念だったのはニューオータニの立食パーティが超豪華だったのに、時間がなくてあまり食べられなかったこと。資生堂の社長を始め、VIPも多く参列していたので当然なのでしょうが、本当にお金がかかっていました。寿司と坦々麺とボンゴレスパゲティだけは食べましたが(どんな組み合わせだか)、まだステーキやらローストビーフやら豪華で美味しそうなものがたくさんあったのに行列が長くて食べ損なってしまいました。慌てて名古屋に戻ってきて食べた中日パレスのパーティのサンドイッチがイマイチだっただけに、余計に悔しくて。あ、でも伊勢エビとデザートは美味しかったからまあいいか、って、結局印象に残っているのは食い物だけかい。

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