幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 4月11日 ● 出揃った総裁候補。

 自民党総裁選の候補者が次々と名乗りを上げ始めました。小泉、麻生、亀井、そして橋龍。森首相が密室の中で生まれたとその正統性について最後まで批判を受けてしまったために、今回は派閥間での候補者調整もせずにガンガン戦おうということでしょうか。当然政策論争もあるわけですから、一応は歓迎すべきカタチだとは言えます。少なくとも、公明党受けのためだけに野中で調整して形式だけの総裁選、という事態だけは免れたようです。

 橋本派は野中弘務ではなく橋本龍太郎を立てるようですが、誰が望んで彼を総理総裁にしたいのか、さっぱりわかりません。彼は通産相、蔵相、首相として「失われた10年」と言われる1990年代の日本の低迷を招いたA級戦犯です。国民はまだ橋龍の失政を忘れていないことでしょうし、そもそも橋本派内部でも決して支持が高いわけではありません。派内の若手議員は誰も親分の再登板を望んでいないらしいし、青木や野中も橋本のことを嫌いだというのですから、一体どうして彼が総裁選に出てくることになるのか、外部からは理解不能な出来事です。派閥維持のために嫌いな親分を立てて総裁選を戦うなんて、経世会もいよいよ末期的な状態かも知れません。落日と言われるわけです。

 逆に小泉“変人”純一郎は、森派を離れて派閥にとらわれないカタチで立候補するそうです。すでにYKK連合ができ、また田中真紀子が応援団につきました。橋龍と違って国民受けは抜群でしょう。しかし、小泉が森派を離れたのは、派閥単位で戦っていては勝ち目がないからです。森派は決して小泉で一枚岩にはなれません。持論の郵政三事業民営化を取り下げるか凍結させない限り、森派に限らず自民党は小泉には恐ろしくて乗れないからです。

 しかし、逆にここで持論を引き下げては小泉は政治家として死んでしまいます。あくまでも国民受けするカタチで颯爽と総裁選を戦えば、ここで負けても小泉の目は次に向けて繋がることでしょう。小泉以外の総裁では参院選で自民党が大敗する可能性が十分だからです。特に橋龍が首相になった場合、橋本派主導で選挙を戦って大敗しかねません。参院選後の政局まで睨んだ小泉の戦略は、盟友加藤紘一にはない強かさを感じます。

 亀井静香はキャスティングボートを握りたくての出馬でしょう。勝つつもりはないと思います。候補者が乱立して誰も過半数を取れなければ1位と2位の決選投票になります。橋本vs小泉となった時に、江藤・亀井派がどちらにつくかで勝負の行方は左右されます。それまで様子を見ながら美味しいところを持っていこうという亀井戦略。いかにも自民党的です。

 麻生“サラブレッド”太郎の出馬はよくわかりません。河野グループの跡目相続披露みたいなものでしょうか?そろそろ次の総裁候補として名前を売っておこう、ということでしょう。元々は橋本派が傀儡政権を狙って擁立に動いたらしいですから、そのまま乗って来ちゃったということですかね。先回の訪米での交渉ぶりでイメージは上がりましたから、このまま一気にスターダムへ、というところでしょう。

 もし僕が自民党の陰の実力者なら、今回の自民党の危機を救うために「小泉首相・野中副総裁・田中官房長官・麻生財務相」のような国民受けするオールスターキャストを組みますがね。できたら石原慎太郎も都知事をやめさせて入れたいくらい。でも、とてもそんな調整力のあるフィクサーはいないようですから、このままグチャグチャになっていくんでしょう。自民党も不幸ですが、我々国民も不幸な話です。

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