ここで何度もネタにしているナンパ好き中年のＭっちゃん（既婚）は、最近ｉモードナンパで「バツイチ35才開業医」と名乗っているのだそうです。とにかく「開業医」の肩書きは抜群の効き目があるそうで、ひきもきらずに女性からメールが届き「会いたい」と言ってくるとか。

　独身の開業医とくれば、そりゃ人気も高かろうとは思いますが、コピーライターとしては極端に知識とか教養に乏しく、しかも頭痛も肩こりもしない超健康体で医者いらずのＭっちゃんが医者を騙るのは、かなり無理があるだろうと思うのですが、本人は至って平気で「僕は嘘つきのプロだから」なんて言っています。嘘をつく時にすぐ目が泳ぐくせによく言います。

　では、とＭっちゃんに想定問答を。「大学はどちらで？」と聞くと「自治医大」とのこと。「それでは卒業後は大変だったでしょう。どちらに行かれていたんですか？」と聞いたら「いや、親のコネで近くの病院だったんで」との答。これでＭっちゃんが自治医大という大学がどういう大学か理解していないことが簡単に露呈してしまいました。僕の高校時代の親友が実際に自治医大を卒業していますが、離島や僻地を転々とさせられて大変だったのを知っているだけに、どうしてそういうバレバレの嘘をつくかな、と笑ってしまいました。

　そんなＭっちゃんがメール相手から会うことにしたのがよりによって35才の看護婦（既婚、しかもダンナは歯科医）。そのへんのOLにしておけばいいのに、なんでよりによってそんなベテランナースを選ぶのか、全く理解できません。みんなで「一発で嘘がばれるからやめておけ」と忠告したのにＭっちゃんは大丈夫、と全然平気です。Ｍっちゃん曰く「キミたちがひとつわかっていないことがあるから教えてあげよう。女というのはとてもバカで騙されやすいものなんだよ」だそうです。

　そこまで言うなら会ってこいや、と僕たちはみんなで放り出したのですが、会社を抜け出してそのナースに会ってきたＭっちゃんは「いや、ずっと嘘をついているのはイヤな汗をかくもんだね。あんまりカラダによくないよ。でも全然ばれていないと思うよ」と嬉しそうにしています。

　Ｍっちゃんの言うとおり、本当に女はバカで騙されやすいのでしょうか？僕たちの推測では、そのナースは会った瞬間に「こいつ医者じゃない」とわかったけれどオトナだし、自分も後ろめたいところもあるから、適当に気づかない振りをして話を合わせてくれたのだろうと考えています。つまり本当にバカで騙されやすいのはＭっちゃんの方、というのが僕たちの一致した見解なのですが。でも、わかっていないということも時には幸福でいられる秘訣であるということですね。つくづくＭっちゃんは羨ましい人です。

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