幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 2月11日 ● 電子会議室までの遠い道のり。

 会社によってIT化の進行具合には差があるのでしょうが、我が社でも電子会議室を全社員に使わせるようなプロジェクトがあります。とは言え、慣れている人と慣れていない人、性に合う人と合わない人がいるわけで、僕のようにパソコン通信時代からもう10年以上も親しんでいる人間は特別意識もしないで書けるのですが、オジサンの中には身構えてしまって一行書くのにも肩にチカラが入ってしまうような人がいます。

 で、こういうタイプの人は電子会議室ですぐに「一度会って話をしましょう」と提案します。それじゃあ意味ないじゃん、という突っ込みをしたいところなんですが、僕も不惑を迎えたオトナですから、ここはグッと堪えて「テーマのまとめのために集まるのもいいですね」なんて書いてしまいます。うーん、なんてオトナな対応。

 ところが会って話すと急に元気になるこの手のオジサンは「やっぱりあんなもんに書いていたって本音はわからないよ。会って話してこそニュアンスも伝わるし、言葉の裏にある意味もくみ取れるんだ」なんて一席ぶってくれます。電子会議室でのおとなしさはどこにいってしまったのか、と訝しくなるくらいやる気満々です。

 「昔はみんなであーだこーだ言いながら深夜まで一緒に仕事していたもんだ。そういう苦労をともにしてこそ阿吽の呼吸で仕事できるパートナーシップも生まれるんだよ」なんて回顧談にもチカラが入ります。「な、クリタくん、昔はそうだったよな。最近の若い奴らときたらホントにもう。」なんて、どんどん鼻息が荒くなっていくのですが、同意を求められても僕は困ってしまいます。

 なにせ新入社員時代に「新人類」と呼ばれて奇異な目で見られたのが、まさに我々の世代でした。特に僕は深夜までグダグダ仕事するのもキライなら、仕事の後に飲みに行って愚痴をこぼし荒れるというのも大嫌いで、なるべく仕事はビジネスライクにさらっとこなしていきたいという志向が強かったのです。「最近の若い奴はなっとらん」と言われて、それでもそのやり方を押し通してきたタイプですから、時にこのオジサンよりも「最近の若い奴ら」の方にシンパシーを感じてしまうのです。

 僕にしてみれば10年以上前に知ったパソコン通信の便利さが、ようやく仕事で使えるようになった最近のIT化は遅すぎるくらいです。はるばるきたぜ電子会議、という気持ちでいるのですから、オジサンに同意を求められても素直に返事はできません。刺激しないように「まあお気持ちはわかりますが仕方ないですよ。時代はもう逆には戻りませんから、新しい仕事のスタイルの中で過去のノウハウを生かせるように工夫するしかないんじゃないですか」と言ってあげると「うーん、そうなんだよなぁ」とオジサンはしょんぼりしてしまいました。ちょっと可哀想な気もしました。なにせオジサンと言っても、実は数才しか年は変わらなかったりするんですよね。まだまだリタイアまで先は長いぞぉ。

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