幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 2月2日 ● 牛40万頭丸焼き。

 新聞報道によれば、ドイツでは狂牛病騒ぎで肉牛価格が暴落したため、政府が畜産農家から肉牛40万頭を買い上げて焼却処分をすることに決めたそうです。もちろんほとんどの牛は感染しておらず、経済的問題で焼き殺されるわけで、まさにこれはホロコースト(大量虐殺)です。

 鯨を食べる日本人を口をきわめて非難する癖に、牛は平気で殺して食べる欧米人。お互い文化が違うのですから、一方だけを非難するのはおかしな話だと思いますが、それにしても今回の行為はなかなかに大胆です。なにせ食べるわけでもなくただ価格維持のためだけに、40万頭を焼き殺すのですから。

 欧米人は「牛は生命ではなく食料」と考えている節がありますが、今回の件からすると食料ですらなく工業製品のようです。それにしたって40万頭はすごいですけどね。40万頭と言うのはドイツ国内の約4ヶ月分の消費量に相当するそうです。処分にかかる費用は約360億円。これでは例え製品であっても、日本人なら「もったいない」と思うことでしょう。なにせ生き物だけではなく、モノにだって神様が宿っていると考える国なのですから、4ヶ月分の製品をむざむざ捨てるなんてことはできません。ましてや牛40万頭を焼却することなど、とてもできる根性はないと思います。

 ドイツ政府を一概に批判しているわけではありません。ユダヤ人を大量虐殺できたんだから、牛の40万頭やそこら平気で焼き殺せるだろう、なんてことも言いません。いろいろ対策を考えて、結局焼却処分しかないという結論に至ったのだとは思います。畜産農家を守るためには仕方ない政策なのでしょう。それを単に「牛が可哀想」と言ってしまっては、「可愛い鯨を食べるなんて野蛮人」と言っている連中と大差ないと思います。ただ40万頭を焼き殺せる文化を持つ彼らとの付き合い方は、もっともっとよく考えないと、思わぬ落とし穴にはまりそうな気がします。

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