幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 1月30日 ● リアップの蟻地獄。

 先日、大正製薬は毛生え薬の「リアップ」の女性版を開発することを発表しました。男性用がバカ売れして笑いが止まらないので、さらに女性版も、という目論見なのでしょうが、これでますます「リアップの蟻地獄」にはまっていく人が増えそうです。

 会社の同僚Mっちゃん(41才)は、エッチ好きですから当然(?)毛髪が不自由な人種です。普段合コンでナンパする時は30代半ばでとおしているので、少ない前髪で懸命に広い額を誤魔化してはいますが、これ以上症状が進行するのはナンパ師としては致命的。これまでもシャンプーを変えたりいろいろと努力をしてきていましたが、数ヶ月前から遂にリアップを使い始めました。

 通常、リアップは頭頂部が薄くなった人には効くけど、前頭部から禿げ上がってきた人には効かない、と言われています。額面積が徐々に広くなってきているMっちゃんには、あまり効果がないのでは、とみんな心配したのですが、最近何となく少し毛髪が増えたような気がしないでもない、という程度の効果がありました。見る人によっては「別に変わらないんじゃない」という本当にささやかな効果ではありますが、Mっちゃんは大喜びで、ますます毎日リアップを振りかけているようです。

 ただ、リアップは血圧を上げ頭皮の血行を良くして毛髪の発育を促す、という薬らしいので、懸命に振りかけている間はともかく、一旦やめてしまうと一気に血行が悪くなり毛根が塞がって毛が抜け落ちる、という話です。薬で無理矢理毛根を維持しているわけで、いわば髪の毛ドーピング状態。Mっちゃんが今の頭髪状況を維持しようと思ったら、一生リアップを振りかけ続けなければならないのです。やめる時は禿げる時。しかも二度と生えてはこないのですから、死ぬまで踊り続けるダンサーのようです。

 Mっちゃんによると月に1本(5500円)のペースでリアップを消費しているということですから、今後年間7万円近くを、生涯大正製薬に貢ぎ続けていかなければなりません。死ぬまで一体全体いくら払うことになるのか、計算するのも恐ろしいです。これが「リアップの蟻地獄」です。

 逆に大正製薬にしたら、これほどおいしいお客はありません。ハゲは人が老いる限り生まれ続けるし、今後ますます気が若いジジイが増えるので、リアップ需要もいよいようなぎのぼり。まさに高齢化社会にピッタリのヒット商品です。この蟻地獄から抜け出すには「ハゲで悪いか」と開き直るか、「ハゲが格好いい」という新しいスタンダードを打ち立てるしかないのですが、多分Mっちゃんにはどちらも無理でしょう。エッチ好きも大変です。

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