幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 1月12日 ● マンガからドラマへの翻訳。

 毎日のように芸能ネタばかり書いていて、すっかりテレビ日記のようですが、新ドラマ『カバチタレ!』を見て、マンガをドラマに翻訳する特殊性を感じました。

 小説の映像化というのは、しばしば物議を醸します。特に映画化というのはせいぜい3時間程度に話をまとめなければならないために、どうしてもストーリーの枝葉がカットされてしまいます。当然、熱心な原作ファンほど文句が出ることが多いのですが、例え時間がたっぷりある連続ドラマ化、しかもかなり原作に忠実にストーリーをなぞっても、やはり不満の声はあがります。それは小説を読んで各人が思い描いていた登場人物のルックスや雰囲気と実際のキャストにギャップがあるからでしょう。

 ただ、それはまだ許せます。ルックスは小説の描写では限界がありますから、ある程度までは仕方ないか、と思えるのですが、マンガとなるとそうはいきません。アニメでもないのに、下手にマンガのキャラに似せようなんてキャスティングすれば、ますます原作のファンから苦情が上がる可能性が高くなります。

 そこで、『カバチタレ!』は思い切って設定そのものを大きく変えてきました。このマンガは、『ナニワ金融道』を描いた青木雄二が監修している青木印の滅茶苦茶エグイ、こってこての実録風法律マンガです。原作は青年コミック誌「モーニング」に連載されていますから、ターゲットは20代・30代の男性。ところがドラマのターゲットは20代・30代の女性です。

 本来マンガでの主役は行政書士事務所の若い男性所員・田村であり、その先輩の教育係が栄田というもてない独身男ということになっています。ところが、ドラマでは田村を性善説で騙されやすい被害者の女性・常磐貴子に、栄田はやり手の女性行政書士・深津絵里が演じています。

 ここまでやってしまえば、キャラクターが似ているも似ていないもありません。ストーリー自体は原作にあったネタをそのまま利用していますが、設定が全然違うのですから。フジテレビは以前にもこの手法で、やはり深津絵里主演の『きらきらひかる』をヒットさせていますから、見事に二匹目のドジョウ狙いです。まあ、視聴率の方も二匹目のドジョウといくかどうかは、まだちょっとわかりませんが。

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