去年、そのニュースが流れた時は「ほーっ」と思ったサッカー日韓合同チーム対世界選抜。日韓がそれぞれの代表を出し合ってひとつのチームになるということも画期的でしたし、相手が世界から選ばれたドリームチームというのも大きな楽しみでした。

　誰が来日するのか、そして日韓合同チームは、そのオールスターチーム相手にどんな戦いをするのか、サッカーファンならずとも興味のわく試合のはずでした。試合発表当初はジダンやバッジョ、ロナウジーニョ、レオナルドらの名前が挙がっていて、溜息の出るようなチームが見られるはずでした。

　ところが試合が近づくにつれて、次々と不参加表明が続き、とうとう一応来日したロマーリオまでが怪我で試合には出ないとのこと。結局誰もが知っているようなスーパースターは、チラベルト、オルテガ、マテウスの3人くらいしか残っていませんでした。いくら各国の代表選手や、若手の有望選手だと言われても、これでは白けるばかりです。

　あまつさえ日韓合同チームもコマが欠ける一方。中田英をはじめ、中村、名波、小野、稲本、楢崎ら華がある選手は軒並み欠場。ゴンとカズを出して何とか場をもたせようとしていましたが、昔の名前だけでは辛いものがあります。とてもこちらもオールスターとは言えない構成になってしまいました。

　この両チームのメンバーでは当初の触れ込みを信じて高いチケットを購入したファンにしてみれば詐欺同然です。試合自体は1-1の引き分けに終わりましたが、花相撲に勝ち負けは問題ではありません。どうせ初めて集まったメンバーに息のあったチームプレーが期待できるわけではないのですから、なにをおいても見たいのは顔とそのプレーなのです。

　Ｗ杯予選の真っ最中に、チームを離れて各国のスーパースターが遠くて寒い日本へ本当に来てくれるかどうか、もう少し興行側も検討してみるべきです。報道によれば払い戻しもしたということですが、お金を返せばいいってもんじゃないでしょう。そうそう、この試合で唯一感心したのは、韓国の選手って上手いじゃん、ってこと。アジアカップで優勝して日本はいい気になっていると、手痛いしっぺ返しを食いそうです。 　

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