幹事クリタのコーカイ日誌2001

 
 1月5日 ● クルマの注連飾り。

 20世紀に置いてきたものは探せばいろいろありそうですが、クルマのフロントにつける注連飾りもそのひとつのような気がします。もっとも、これは名古屋を中心とする愛知県域だけでの観察で言っていますから、他の地域でも同じ現象が起きているかどうかは定かではありません。

 僕が初めて自分のクルマを購入したのは今から20年前、19才の年末のことでした。僕の両親とも運転免許を持っていなかったので、この時、初めて我が家にクルマがやってきたわけです。忘れもしない小雪の舞い散る1980年12月29日、中古の1975年式サニーエクセレント1400GLが我が家に納車された時に、まず母親がやったことが「成田山に行きなさい」という指令であり、次に正月用の注連飾りをクルマのフロントグリルに取り付けることでした。

 今でもそうですが、特に若い頃の僕は、祈祷とかお祓いとかお守りとかの類が大嫌いだったので、当然の如くともに拒否しました。成田山は僕が運転しなければクルマが動かせないので、拒否権発動は成功しましたが、注連飾りは母親が買ってきて「ほれ、つけなさい」と差し出すので、渋々つける羽目に陥りました。

 その後も家にいる間は毎年正月になると注連飾りをつけていたのですが、家を出てクルマを買い替えてからは「グリルにつける場所がない」という理由で拒否し、ようやく解放されました。格好悪いし無駄だし、なんでそんなものをつけるようになったのか、僕にはさっぱり理解できなかったので、ホッとしたものです。

 僕には実に不思議なこの注連飾りをつける風習も、さすがに年を経るごとに廃れていき、ついに今年はほとんど街を走っているクルマにも見かけることはなくなりました。たまにこの正月クルマで走っていて、注連飾り仕様を1台見かけると「おおっ、まだあんなものをつけているクルマが!」と驚いていたものです。

 もっとも最初に書いたように、この話はあくまでも名古屋、尾張、西三河地方限定であって、他の地域ではどうなっているかわかりません。「今年もみんなつけていますよ」とか「最近ちょっと減ってきた」とか「最初からそんなものつけていません」とか、いろいろ地方によって違うかも知れませんね。  

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