幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 12月28日 ● 清水アキラと「ものまね」の堕落。

 フジテレビ系列「ものまね王座」の年末恒例「ものまね紅白」が先日放映されました。かつては30%を軽く超える視聴率をマークしていたこの人気番組も、コロッケなどの人気タレントを日本テレビ系のものまね番組に引き抜かれたことと、新しいスターが出現しないマンネリさ加減で、最近はすっかり数字的にも内容的にも落ち込んでいます。

 ずっと続く長期低落傾向に、番組は今年から思い切ってリニューアルもされました。審査員を若返らせ、司会も今田と東野の「Wこうじ」に。吉本芸人ならではの厳しい突っ込みやしつこいボケによって、今までのぬるま湯的雰囲気が少し改善されはしましたが、本来の見せ物であるものまね自体が変わっていないため、所詮これも小手先の改善に過ぎません。

 僕が思うに、この番組の最大の問題点は、トップに位置するものまね芸人が、相も変わらず清水アキラであることです。確かに清水アキラは上手いし面白い。いや、面白かった、と過去形にした方が良いでしょう。彼にはかつてコロッケという最大のライバルがいたのですが、コロッケが日本テレビに移籍し、また清水アキラの面白さを最大限に引き出してくれた審査員の淡谷のり子が死んでからは、もはや過去の遺産で笑わせているだけになってしまいました。

 それでも番組には彼の座を脅かすような若手も登場せず、もはや誰も似ているかどうかわからないような村田英雄あたりのものまねでお茶を濁していても許される状況にあります。その堕落ぶりがひときわ目立ったのが、今回の「ものまね紅白」でした。なんと清水アキラは風邪を引いてガラガラの声しか出ない状態でものまねをしたのです。

 もちろんガラガラ声でできるものまねなんて森進一くらいしかありません。ところが、彼はヒデとロザンナ(これももう古くて30代以下にはわからない)のヒデのものまねを、ロザンナ本人をゲストに呼んで一緒に歌ったのです。ヒデこと故・出門英は声量のある艶やかな声の持ち主でした。今回の清水アキラの声とは全く違います。それは似ても似つかないひどい芸(以前)でした。ところが誰もそのことには突っ込まず、何となく困ったような雰囲気の中、番組はそのまま進んでいったのです。

 あまつさえ清水アキラは「大トリ」として再度登場し、村田英雄のものまねまでしたのです。もちろん全く似ていません。まさに許されざる暴挙でした。いくらくだらないバラエティ番組だからと言っても、そこに芸人としての矜持はないのでしょうか。そしてこんな芸を許容した番組全体の品質管理体制はどうなっているのでしょうか。

 風邪を引いたこと自体、ものまね芸人としての自覚がないと指弾されても仕方ないと思いますが、少なくとも声がちゃんと出ないとわかった時点で、番組の構成を変えて清水アキラには芸をさせないというくらいの措置をするのが当然だと思います。この責任を負うべきは実は番組プロデューサーか、清水アキラのマネージャーかも知れませんが、これによって大きく傷ついたのは、やはり芸人・清水アキラの看板でしょう。まさに「やらなきゃよかった」典型例でした。  

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