幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 12月20日 ● タレント花田勝の今後。

 藤島親方(元横綱若乃花)こと花田勝が相撲協会を廃業してタレント活動に入ることを表明しました。すでにCMでは今までも随分と起用されているし、本人も相撲界に残るよりもタレントとして活躍したいという意向が強いことは以前から報道されていましたから、このニュース自体は驚くべきことではありません。問題は、果たして「お兄ちゃん」にどれだけタレントとしての価値があるかということです。

 現在の芸能界では元スポーツ選手がやたらと大勢います。先駆けとなった板東英二を筆頭に、ガッツ石松、定岡正二、長島一茂、デーブ大久保、川合俊一、大仁田厚、池谷幸雄、陣内貴美子、大林素子、神尾米。他にもとにかくあらゆるジャンルから我も我もと芸能界に参入してくるので「はて、こいつは元はなんの選手だったんだろう?」と思ってしまうこともしばしばです。

 ただし、彼らのほとんどはみな「きわもの」扱いの域を出ていません。俳優としても評価を受けている板東英二や大仁田厚、またスポーツキャスターとして定評のある青島健太はともかく、他の元スポーツ選手は大抵バラエティ番組で「体力だけで頭の悪い筋肉バカ」的扱いです。本来どうなのかはともかく、それが一番彼らにとって敷居の低い芸能界への入り方だからでしょう。

 とは言え、元力士というのは実はそんな敷居の低い「バカにされる」路線は歩みにくい宿命にあります。相撲は国技です。日本では力士の地位は想像以上に高いし尊敬もされています。それは彼らがスポーツ選手ではなく神事の一端を担う者だからです。ましてや横綱ともなれば、時の首相よりもその地位は高いかも知れません。だから「花田勝」は意外と使いにくいタレントではないかと僕は思います。

 元力士の芸能活動では、KONISHIKIが「きわもの」としても別格の存在感を示しています。そのCMタレントとしてのパワーは凡百のスポーツタレントとは完全に一線を画しています。彼の路線はかつて高見山が切り開きジャイアント馬場が踏み固めた方向なのですが、KONISHIKIが完全に確立したと言っていいでしょう。

 同じ力士出身でも舞の海はまた別方向です。彼は力士としては特別小柄ゆえにちょんまげを切り落としてしまえば、もはやただの小太りのお兄さんに過ぎません。CMで見せる華麗なダンスも、元力士とは思えない軽やかさです。剽軽さ、可愛らしさを表現できる舞の海もまた軽んじられることなく芸能界でその地位を築く可能性があります。

 そこで花田勝です。なにせ元横綱、国民的人気者。しかしこれまでの活動を見ていると芸は無さそうですし、トークも取り立てて得意とは思えません。挙げ句にスキャンダルも飛び出して、良いイメージもかなり落ちてしまいました。前途多難なスタートです。とりあえずはトーク番組やバラエティ番組のゲストくらいしかできないでしょうが、先々は大仁田の路線でドラマ進出でしょうか?しかし独特の「照れ」が売り(持ち芸?)のお兄ちゃんが、しれっとした顔で演技ができるかどうか。案外と橋本聖子や釜本邦茂の路線、すなわち自民党から参院選に立候補、というあたりが一番楽かも知れませんよ。  

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