幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 12月13日 ● 都市における環状線の役割。

 偉そうなタイトルを書きましたが、別に都市工学について一家言持っているわけではないので、単なる「大江戸線」全線開通の感想なんですが。

 東京にはすでに山手線という環状線があるのに、さらに金のかかる地下鉄で環状線を建設する必要が本当にあったのかな、という気がします。しかも「大江戸線」という名前が象徴するように、大きく広がった東京を回る環状線ではなく、ほんの狭い範囲、せいぜい「大江戸」と呼べる程度の都心部を結ぶだけですから、すでに現状でも十分公共交通機関は発達しているわけです。これが地下鉄建設の初期に作られたのならわかりますが、21世紀を目前にした今、無理してわざわざ作らなければならない明確な理由がわかりません。

 むろん、どんな路線だってあれば便利なことはわかります。しかし、なにせ総工費約1兆4000億円。今後31年間にわたり毎年200億円以上返済しなければならないのです。いくら石原慎太郎都知事がアイデアを捻っても、こんなことをしていては、とても都の財政が好転するとは思えません。

 名古屋市民のくせに東京都のことなんか心配しても仕方ないのですが、実は名古屋の地下鉄も東京に負けず劣らず深刻な状況です。現在市営地下鉄が抱えている累積赤字は約3700億円。これだけでも「やばいじゃん」という数字なのに、さらに今建設を進めている地下鉄4号線(名古屋初の環状線です)の総工費は約3150億円だそうです。これでは今でさえ日本一高いと噂される地下鉄料金が、今後ますます値上がりしていくことは間違いありません。

 「大江戸線」と違って、公共交通機関が東京ほど発達していない名古屋では、地下鉄4号線の建設は必要不可欠です。「クルマ社会」の名古屋ですが、今後の環境・資源問題を考えた時に、市民にいかにクルマをやめさせて電車やバスに乗せるか、ということも大きな課題だからです。環状線ができれば、かなり市内での移動はスムーズになりますから、その効果は大きいでしょう。地下鉄建設に単なる利便性以上の公共的意味があるとしたら、工費のことはある程度目をつぶるより仕方ないのかも知れません。あくまでも「ある程度」ですが。  

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