幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 12月6日 ● 手塚治虫スペシャル。

 5日夜にテレビ朝日系列で放映された「手塚治虫スペシャル 20世紀最後の怪事件」を見ました。21世紀まで残り4週間を切り、いま手塚治虫の描いた未来をもう一度見直してみる、という企画はなかなか良いところを突いていると思います。アトムはじめ手塚キャラが総出演するというのも、ファンのココロをくすぐりますし。

 番組は三層構造になっていました。テレビ業界を舞台にしたドラマの中で作られている番組内で新作アニメが放映される、という仕掛けです。業界ドラマは藤井隆、小野武彦らが寸劇を演じ、そこで作られている手塚スペシャル番組には草野仁、高橋英樹、今田耕治、辰巳琢郎、さとう珠緒、藤子不二雄Aらが出演、そして番組内で急遽オンエアされることになったアニメには、かつてアトムの声を演じた清水マリら大物声優が起用されています。なかなか凝った豪華な作りです。

 核になるのはもちろんアニメです。そしてこのアニメだけでも良かったのでは、と思いました。三層構造のために随分メインディッシュのアニメは短くなっていましたが、もっと時間を与え、遊びの部分も膨らませて手塚キャラ総出演にしてくれた方がファンとしては嬉しいです。それとコナンか金田一のような推理モノにしたのは良いと思いますが、アトムが探偵役というのはちょっと無理があったような気もします。三つ目の写楽の方が適役だったんじゃないのでしょうか?まあ主役はアトムじゃなければ収まりが悪いというのもわかるので、どっちでも良いんですけどね。

 つまらなかったのは、「知ってるつもり」のような番組部分。草野仁の司会もそうですが、他のゲストもどうしてこの人選?というような人ばかり。あれでは折角出てきた藤子不二雄Aが可哀想です。「BSマンガ夜話」ほどとはいかなくても、ある程度マンガ・アニメ好きで手塚治虫に関しても熱く語ることができるような芸能人・文化人を呼んで欲しかったですね。斉藤由貴でも松村邦洋でも大槻ケンジでも西村知美でもいいから、そういうゲストが2〜3人いたら、もっと深い突っ込んだトークが聞けたと思います。

 藤井隆がディレクター役をやっていたドラマ部分は全然不必要でした。大したことをやっているわけでもないし、特に面白いわけでもない。ただちょっと藤井隆をドラマに起用して話題作りをしてみよう、という程度のことでしたからね。まあ若い視聴者を惹きつけるには、手塚治虫の名前だけでは弱い、という判断なのでしょうが、あんな藤井隆じゃ魅力もないし邪魔なだけでした。

 それにしても、最近のビートルズブームと言い、この手塚治虫スペシャルといい、20世紀だろうが21世紀だろうが、結局良いモノは良い、という単純なことがわかります。吉永小百合に言ってもらわなくても、自然と21世紀に持っていくものは決まりますね。  

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