幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 12月2日 ● 思い出の紅白。

 昨日に続いて、紅白歌合戦の話です。

 美空ひばりが歌謡界の女王と言われていた頃、毎年紅白では彼女がトリをとっていました。宮田輝が司会をし、美空ひばりが歌って、除夜の鐘がなる、というのが大晦日の日本の風景だったのです。調べてみたらなんと1963年(第14回)から1972年(第23回)まで10年連続で美空ひばりはトリを務めています。今ではとても考えられないような見事な女王ぶりです。

 で、1973年から紅白に出ていませんから、ここでNHKとひばりが対立するようになったということになります。次にひばりが復活するのは1979年。この時は30回の記念紅白ということで、藤山一郎とともに出場しています。もっともこの時限りで二度とひばりは紅白に戻ってくることはありませんでした。

 ところで、この1979年の紅白歌合戦は僕も過去の紅白で一番印象に残っています。このひばり復活ということもありましたし、トップの石野真子『ジュリーがライバル』の溌剌さ、中締めだった山口百恵と沢田研二(前年、ポップス初のトリをこの2人が務めて話題になりました)の充実、そしてトリの八代亜紀『舟唄』の熱唱と見どころ満載の紅白でした。

 この紅白の素晴らしさに感じ入ったのは僕だけではなかったのか、後に映画『駅』では、高倉健と倍賞千恵子が飲み屋で差し向かいで演技するシーンで、ずっとこの紅白の模様がテレビから流れます。石野真子が歌い出すところから始まり、『舟唄』で映画もクライマックスになる降旗監督の演出には感動しました。日本映画の名場面を挙げろと言われたら、僕はこのシーンをそのひとつに入れると思います。

 高校生の頃にはあまり見ていなかった紅白ですが、大学1年生の時に見たこの第30回紅白で、僕はまた歌謡曲ファンに戻ってしまいました。まあ大学で知り合った僕の歌謡曲の師匠の影響もあるんですけどね。今年は20世紀最後の紅白。21世紀に語り草になるような場面に遭遇できるかどうか、楽しみです。  

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