幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 11月30日 ● トヨタカップとプロ野球。

 先日のサッカークラブ世界一決定戦「トヨタカップ」は、予想を覆してアルゼンチンのボカ・ジュニアーズが、スペインのスター軍団レアル・マドリードを2-1で下して優勝しました。5年連続で欧州に負けていた南米が久しぶりに勝ったこのゲーム、いろいろなことを連想してしまいました。

 まず欧州と南米の格差と、それに伴うトヨタカップに対するやる気の違い。かつては対等、もしくは南米の方が実力は上かと思われていた両地域ですが、サッカーがビッグビジネスに成長するにつれて、資金力が格段に違う欧州のビッグクラブに世界中の有力選手が集まるようになりました。イタリアのセリエAをはじめ、スペイン、イギリス、ドイツ、フランスなどのリーグは、世界各国の代表選手ばかりです。当然、欧州のクラブチャンピオンこそが世界一、という雰囲気になってきてしまい、欧州ではトヨタカップに対するモチベーションは下がり続けているようです。

 逆に欧州への選手の供給源になってしまった南米のリーグでは、トヨタカップは自分たちを高く売り込む大きなチャンスです。選手の格では劣るものの、モチベーションの高さでははるかに南米の方が上。それが如実に現れたのが今年のトヨタカップでした。モチベーションの低さに加えて過密日程をこなしているスター軍団は、どうして東京なんてド僻地にまで来て試合をしなければならないのか、という雰囲気が漂っていました。それが開始直後の2得点につながったのだと思います。

 ところで、南米が欧州リーグの二軍化しているサッカー界の現状は、実は日本とアメリカのプロ野球の関係にも似ています。球団数が増えて選手が欲しいアメリカのメジャーリーグと、続々と海を渡ってくる日本の有力選手のニーズは見事に合致しています。特にパ・リーグの選手にしてみれば、観客が数千人のスタジアムでいくら三振を奪おうがホームランを打とうがマスコミもファンも注目してくれずに空回り。だったら、思い切って海を渡ってしまえばいきなり衛星中継付きの大スターです。貧乏なパ・リーグチームよりもお金は貰えるし、まさに良いことだらけです。

 野茂以降、続々と日本人メジャーリーガーの数が増えてきました。これで来季イチローが成功を収めようものなら、雪崩を打ったようにもっとパ・リーグの有力選手がメジャーに移籍し始めるかも知れません。そうなると、日本がサッカー界における南米の二の舞になってしまう可能性はかなり高いと思われます。

 もっとも、日本プロ野球界には巨人というもうひとつ別のメジャーがあります。アメリカにわたる勇気はないけど、お客さんがいっぱい入って、お金もたくさん貰える日本のメジャーに、という選手が続々と巨人入りしているのは周知の事実です。どっちにしても今の制度のままでは、パ・リーグの二軍化は避けられないってことですね。  

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