幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 11月15日 ● 加藤紘一に勝算はあるのか?

 突如森政権に対して反旗を翻した加藤紘一。森の次は加藤、と言われながら、非主流派でくすぶっていた彼が、いきなり大博打に出たという印象なのですが、果たして加藤に勝算はあるのでしょうか?

 森政権が末期症状なのは誰が見ても明らかです。またこのままでは参院選に惨敗しかねない、という自民党内部での危機感も大いにあるでしょう。ところが森はちっとも代わりません。国民や野党はもちろん、与党ですら「ダメだ」と思っている政権が交代しない。これが永田町の摩訶不思議なところです。

 最大派閥の橋本派には総裁候補がいない、良い材料がない中で、敢えて火中の栗を拾おうという実力者もいない、非主流派は手詰まりで動きが取れない、野党も森政権のままの方が参院選で戦いやすいから、どうしても手を緩めてしまう。こうした条件が揃ったお陰で、誰もが「ひどい」と思っている森がいつまでも総理の座にあるわけです。

 この中で、もっとも非難を浴びるべきは、やはり野党第一党でありながら、てんでだらしない民主党でしょう。自ら積極的に森を叩こうとするわけでもなく、ただ自民党からの離反者を拾いながらの棚からぼた餅作戦の民主党では、国民の支持を得られるわけもありません。

 その次に情けないのが非主流派のプリンス・加藤だったわけです。主流派を切り崩すこともできず、ただ名門派閥にいるだけで政権が回ってくると考えていたら大甘です。政治家なんだから、それらしく政治的な動き方をすれば良いのに、それもせずに座して待つだけではダメダメに決まっています。

 で、いきなり今回走り出した訳ですが、そこには何の根回しも計算もなかったようです。普通に考えれば、YKKの同志である山崎と小泉にはしっかりと作戦を授けてあるだろうし、民主党の鳩山や菅、自由党の小沢あたりにも話をしておくというものでしょう。もちろん、自分の派内は一枚岩になっていなければ戦えるものではありません。

 ところが蓋を開けてみれば、単なるお坊ちゃんの暴走。自派の中すらまとまっていないのに、他派閥や野党がついてきてくれるはずありません。宮沢喜一をはじめ自派や山崎派の閣僚には自重を求められ、野党からは党内抗争でしかないのか、と傍観を決め込まれています。

 今や完全に加藤は手詰まり状態にあります。不信任案に賛成するという突っ張り技なら、残るは自民党を離党するしかありませんが、果たして「保守本流」を自認する加藤派の面々が何人自民党を一緒に離れてくれるか、はなはだ疑問です。かと言って、ここでトーンダウンしてしまったら、そのあまりに情けない姿をさらすことで政治的発言力はゼロに等しくなってしまいます。

 唯一加藤にチャンスがあるとしたら、また森総理が失言をして国民の内閣支持率が一気に急降下することです。支持率が10%を切れば、まさにそれは「神風」となって、加藤にチャンスも生まれることでしょう。それにしても、最初から世論頼りの危ない賭けに出るようでは、加藤も頭の出来は森と大差ないのではないかと不安になります。  

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