ＦＡを宣言したヤクルトの川崎投手が中日と交渉をしました。なかなか好感触だったようですが、まだ他の球団とも、また大リーグのチームとも話をする、ということだそうですから、素直に中日に入団するというわけではもなさそうです。

　川崎はスワローズの黄金時代を支えた投手の一人です。平成元年に入団後、新人時代から特に巨人戦に強い投手でした。調子の良い時はとても打てそうもないという印象で、アンチジャイアンツファンにしてみれば、とても頼もしく映りました。平成10年には最多勝・沢村賞も獲得しています。

　川上や武田が故障で計算通りに働いてくれなかった中日としては、バンチと並ぶ頼れる右投手は喉から手が出るほど欲しいところです。しかし、巨人にしてみればパ・リーグや大リーグに行くならまだしも、ライバルである中日に「巨人キラー」が入るのは避けたいところでしょう。当然、巨人の妨害がこれからあるのではないかと予想されます。

　しかし、スポーツというのはライバルが競り合ってこそ面白いのです。かつて巨人には阪神や南海というライバルいました。ところが今年のような有名選手をかき集めての巨人のひとり勝ちでは、早晩プロ野球は衰退してしまうことでしょう。貴重な「巨人キラー」までも巨人に入ってしまったら、面白くもなんともありません。

　「強い巨人」だからこそ、倒し甲斐もあるわけですし「巨人キラー」の価値も上がります。自らの商品価値を下げるような選択だけは、川崎にして欲しくないと切に願っています。 　

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