幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 11月8日 ● 佐々木の新人王に考える。

 今季マリナーズに移籍した佐々木投手がア・リーグの新人王に選ばれました。ルーキー記録の37セーブという大活躍は、さすがの一言。野茂に続く日本人2人目の新人王に選ばれたのも納得の好成績です。

 ただアメリカでは佐々木の新人王を疑問視する声があるそうです。もちろんそれは出した結果について云々しているわけではなく、佐々木のプロ生活10年、32才という経歴に対して、果たして本当に「新人」と言えるのか、と疑問視されているのです。問われているのは資格です。

 これは実は、アメリカよりも日本でこそ感じる疑問でしょう。前回、野茂が新人王になった時も「えっ、新人扱いなわけ?」と思いましたが、佐々木の場合は、さらにキャリアも年齢も上です。横浜での大魔神ぶりを知っている野球ファンにとっては、今さら佐々木が新人王と言われてもピンとこないのも無理ありません。

 日本のプロ野球にアメリカからボンズやマダックスがやってきて大活躍しても、誰も新人だとは思いません。当然です。彼らには十分過ぎるほどの実績があるからです。ところがメジャーリーグでは、他でどれだけ実績があろうとも「新人」として扱います。メジャー以外の実績は実績ではないのです。佐々木が新人王の資格があるということは、メジャーリーグが日本のプロ野球を「プロ」として認めていないということに他なりません。

 ところが野茂にしろ佐々木にしろ、また伊良部、長谷川、吉井にしろ、日本のエース級の投手なら十分メジャーでも通用することがわかりました。あとは来年野手のイチローが活躍してくれれば、日米の実力差は、実はそれほど大きくないことが証明されてしまいます。そうなった時、果たしてメジャーは日本のプロ野球を「もうひとつのプロリーグ」として認めるのでしょうか?

 来年イチローが首位打者を争って、シーズン半ばにイチローの新人王資格を認めない、というような論議になったら、それはメジャーが日本を認めたことになると思います。佐々木の新人王を無批判に喜んでいる場合ではありません。  

とりあえず、読むたびに(1日1回)


を押してください。 日記猿人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。


この日記をマイ日記猿人に登録してみる

前日翌日最新今月