幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 10月31日 ● アジア杯優勝、だけど。

 サッカーアジア杯で、日本代表が見事な勝ちっぷりを見せてくれました。予選・決勝を通じて、ずっと攻撃的でありながら安定した戦いぶり。その強さは紛れもなくアジアナンバー1でした。ここまで代表を育て上げたトルシエ監督の手腕は高く評価されて良いでしょう。

 以前から書いているように、トルシエは指揮官としてよりも教育者としては極めて優れた資質を示しています。今回のA代表もユース代表、五輪代表を通じてトルシエが育ててきた若い選手達が中心です。最年長で28才の森島というのですから、その若さは際立っています。2002年までにどれだけ彼らが成長するか、そしてトルシエ自身が語っているように、今の若手選手達が熟練度を増す26〜28才になる2006年には、どれほど強いチームになっているか、想像するだけでも楽しみです。

 しかし日本サッカーがバラ色の未来ばかりではないのもまた事実です。このアジア杯を最後に2002年のW杯まで、もう公式戦はありません。たださえ経験不足が懸念される若いチームなのに、それをさらに育てまとめ上げるのに必要な舞台があまりにも少ないのです。

 サッカー協会は代表チームが少しでも多くの経験を積めるように、欧州や南米の強国との試合を組むように最大限の努力をするべきです。Jリーグを2ヶ月くらい休んで、欧州遠征に出かけるのも良いでしょう。アジアの中ではいくら最強国であると威張ってみたところで、所詮はアフリカにも劣るアジアレベル。W杯での1勝と決勝トーナメント進出を実現するためには、世界のトップ20に入るような強豪に揉まれてくることが欠かせません。それもアウェーで。

 もうひとつの懸念は、足元であるJリーグの地盤沈下です。1993年の発足時を思うと、今のJリーグの沈滞ぶりは深刻です。人気薄なために親会社が離れ、資金難のために層が薄くなり、世界のトッププレーヤーも来てくれません。日本選手がここまで成長した大きな要因のひとつに、Jリーグに参加した数多くの世界の一流プレーヤーのチカラがあります。

 初期のジーコやリネカー、リトバルスキーをはじめ、ディアス、ブッフバルト、ドゥンガ、カレカ、ストイコビッチ、レオナルド、ジョルジーニョ、サンパイオ、エムボマら数え切れないほどのトッププレーヤーたちが、日本の選手に多くの遺産を残していってくれました。

 しかし、今のJリーグに各国代表クラスの選手はほとんどいません。それもあって、日本人選手が大きく飛躍するためには、中田や名波のように外国のリーグに参加することが求められています。しかし、それはスター選手不在を招き、ますますJリーグの地盤沈下をもたらすことにもつながります。Jリーグの危機は、そのまま日本サッカー界の危機です。

 せっかくここまで育った日本サッカーですから、なんとかもうひとつもふたつも大きな花を咲かせて欲しいと思います。サッカーくじで人気が回復するのなら、それも良いでしょう。代表だけではなく、もっとみんなJリーグを見に行きましょう。それが代表を強くするのですから。

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