幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 10月18日 ● タレント候補ならいいわけじゃない。

 田中康夫の長野県知事当選によって、参院選に向けて各党のタレント・文化人候補獲得により拍車がかかりそうな雰囲気です。もとより比例区の非拘束名簿式への改悪(と敢えて言いたい)を見越して、大量得票を狙えるタレント候補のニーズが高まっていたところにもってきて、青島・ノック現象以来続くタレント候補の選挙での強さ(実際の行政手腕はヘロヘロでしたけどね)が、一層プロの政治家たちの焦りを呼んでいるようです。

 しかし、特に自民党の幹部に問いたいところですが、今回の田中康夫にせよ、青島幸男や石原慎太郎にせよ、本当にタレント・文化人だから勝った、と単純に決めつけるのはいかがなものでしょうか?確かに彼らの知名度が選挙戦を有利にしたことは否めないでしょう。でも彼らが既成政党、特に自民党をバックに出馬していたら、それでも本当に勝てたかどうかは怪しいものです。

 田中康夫はシンボルです。とにかく既存の権力を否定して、なにか新しい波を起こしたい、変えたい、という人々にとっての担ぎやすい御輿に過ぎません。御輿はちょっと知名度があって、少し知的で、それなりに新しそうなら何でも良かったと思います。昨日僕が田中康夫でなくても多分勝てた、と書いたのは、つまりそういうことです。

 逆に言えば、池田某の代わりに田中康夫が自民党推薦で出馬していても勝てなかったのではないか、ということです。かつての参院選全国区で、宮田輝が圧倒的に票を集めました。あの頃はNHKに出ている有名アナウンサーということだけで、特に農村部の有権者がみんな投票してくれたものです。

 でも、現在の都市に住む無党派層(これが波を引き起こす原動力です)は、単にタレント・文化人だから票を入れる、というほど単純ではないと僕は思います。いくら有名で人気のある候補者でも「変革」を象徴していなければ無意味です。これまで通りに無難に、ということなら、プロの政治家に任せれば良いことだからです。

 僕は自民党に、もっとプロとしての誇りを持って選挙に臨んで欲しいと思います。なまじタレント候補に手を出して醜態を晒すくらいなら、素人では複雑な国政は運営できないのだ、ということを、堂々と言ってのけた方が、長年行政を担ってきた責任与党として立派な信頼できる態度だと思います。でもそれだけ気骨のある政治家が自民党にいるかなぁ。


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