幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 9月26日 ● それでも一面は巨人。

 高橋の金メダルと巨人の優勝。さすがに歴史的快挙である高橋の金メダルの方がビッグニュースだろうと、一般紙は軒並み一面に高橋の快挙を持ってきました。ただスポーツ紙はどうかな、と思っていました。なにせ巨人が勝たないと売り上げが伸びないと言われる業界です。

 僕はたまたま月曜日に東京出張だったので、東京駅の駅売りスポーツ紙を早速チェック。予想では報知は巨人だろうけど、残りはさすがに高橋かな、と思っていたのですが、ものの見事に外れました。東京中日スポーツとデイリースポーツ以外は、僕の見たところみんな巨人が一面です(ざっとスタンドを見ただけですから、間違っていたらごめんなさい)。思わず「うーむ」と唸ってしまいました。ま、ここは東京だしね。

 夕方に名古屋に戻ってきて、名古屋駅でもチェック。ただすでに夕方にはスポーツ紙はかなり売れてしまっていたので、わかったのは中日スポーツと中京スポーツ、報知スポーツ、名古屋タイムス(スポーツ紙じゃなくて夕刊紙だけど)。中日スポーツと名古屋タイムスは高橋がトップでしたが、報知はもちろん、中京スポーツも巨人でした。東スポが巨人なら中京スポーツもやっぱり巨人なのかなぁ。でもここは名古屋なのに。高橋は岐阜出身だよ。地元じゃん。

 ということで、なんとなく割り切れない思いを残したスポーツ紙チェック。まあ確かにスポーツ紙とプロ野球は共存共栄、というか、スポーツ紙が小判鮫かも知れないけど、とにかく切っても切れない間柄。おいそれと巨人を見限ることはできないのかも知れませんが、これほどのビッグニュースでも巨人優勝に勝てないとなると、サッカーが金メダルを獲っても一面は巨人だったかも知れませんね。

 ただプロ野球もスポーツ紙も、なんだか狭い蛸壺の中に潜り込んでしまっているような感じがしました。彼らの世界の中では、どんなことよりも巨人の優勝が一番大事なのかも知れませんが、その感覚はすっかり世の中の流れから取り残されているのではないか、ということです。

 確かに戦後、特に高度成長時代はプロ野球こそ大衆娯楽の王様でした。サラリーマンの朝の話題は昨晩のナイターの結果だし、夏の宵の楽しみはビール片手にプロ野球観戦だったことでしょう。子どもたちの憧れはいつも巨人の4番打者でした。しかし、気がつけばいつの間にかそんな時代は遠く過ぎ去ろうとしています。野球に親しまないのは今や子どもだけではありません。すでに20代でも野球は共通の話題になり得なくなってきています。

 プロ野球のファン層は時代劇のファン層と重なる、という分析がありました。それはプロ野球の小判鮫であるスポーツ紙の読者層とも重なるということです。そして、みんな年を取って21世紀半ばには消えてしまっているのでしょうか。


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