幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 9月25日 ● ぶっち切りの優勝にも差はある。

 34,8km地点で高橋尚子がサングラスを投げ捨てた時に「おっ」と思いました。日差しの向きが変わったわけでもないのに、どうしたのかな、と思う間もなく強烈なスパート。後で聞けば小出監督と綿密なプランを立てた、その通りのスパートだったようですが、それにしてもあれだけ思う通りにレースが展開できる実力は半端じゃありません。

 最後はシモンの驚異的な粘りに、ちょっとヒヤッとさせられはしましたが、見事に五輪新でゴール。その後の満面の笑顔と「楽しかった」という感想、そしてファンの応援のお陰だと感謝の言葉を忘れないあたり、あまりにも優等生過ぎるキライはありますが、それができる余裕に改めて高橋の強さを再確認した気がしました。狙ってその通りに獲った笑顔の金メダル。過去の日本にはいなかったタイプのアスリートだと思います。高橋の強いレースと、明るいキャラクターは、確かに人を惹きつけるだけの魅力がありました。

 夜には巨人が劇的な優勝を飾りました。残念ながら僕は4-0で中日リードを確認したところで、ずっと室伏のハンマー投げを見ていたため、その瞬間は見逃してしまいました。思い出してチャンネルを切り替えたら長嶋監督以下が笑顔で手を振って歩いているのを見て目を疑ってしまいました。

 先日も書いたように、高橋の金メダルとかぶった巨人の優勝は、どうしたって印象が弱くなります。そこで中日と示し合わせたかのようなドラマチックな優勝シーンを作ることで、オリンピックに対抗しようとしたのではないかと疑いたくなるような逆転劇でした。

 ただ冷静に考えれば、この試合に限れば確かに巨人の優勝は劇的ですが、シーズンを通じて見れば、今年は本当につまらないペナントレースだったと思います。工藤、江藤、メイら金にあかせて他球団から連れてきた選手達の活躍で、ぶっち切りの独走。試合自体も大勝か大敗かという大味な試合が多く、テレビ中継の視聴率もずっと下がる一方。優勝シーンだって、僕のようにオリンピックを見ていて見逃した人がたくさんいるんじゃないでしょうか。決して「感動の優勝」なんかじゃないと思います。

 高橋も巨人も、同じようにぶっち切りの強さを誇っての優勝なのに、この爽快感の差はなんなのでしょう?フジテレビの某女子アナは「感動をありがとう」なんて巨人優勝にコメントしていて「バッカじゃないの?」と思いましたが、どうもマスコミに同列に並べられると強い拒絶反応が出てしまいます。高橋の金メダルは全国民的に感動的だけど、巨人優勝を感動的だ、と思っているのは一部の巨人ファンだけだぞ。


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