夏の甲子園が始まって3日目に登場した愛知代表・中京大中京。強豪と噂される奈良・郡山相手に12-0と大差で圧勝しました。あまりの好調さに、かえって今後の試合で油断が生じるのではないかと危惧したくなるほどです。

　もっとも中京大中京が入っているブロックは智弁和歌山やＰＬ学園など優勝候補がひしめき合う最激戦区。油断していなくても勝てるかどうか怪しい相手ばかりです。大差勝ちで気が緩む心配よりも、これで勢いがついたと感じる方が良いかも知れません。

　かつては「球国愛知」と謳われた愛知県代表も、夏の甲子園制覇は昭和41年中京大中京が名前を変える前の中京商以来30年余りも遠ざかっています。その間、チャンスがなかったわけではありません。バンビ坂本の東邦は決勝戦で劇的サヨナラホームランを打たれて負け。野中と紀藤という超高校級投手2人を擁した中京高も、水野・畠山の最強池田に準々決勝で競り負けました。エース工藤が初戦でノーヒットノーランを演じた愛工大名電も、準決勝金村の報徳学園に敗れました。

　愛知県からは他にもイチローや山崎など幾多の名選手が生まれ、強豪チームが出現していますが、強いチームが必ずしも甲子園で勝てるとは限りません。桑田・清原の史上最強の高校チームＰＬ学園ですら、彼らが在籍した5季のうち2季しか優勝できませんでした。今年の中京大中京も投手2人と強力打線が揃って、これで優勝へのダークホースにはなれたかとは思います。後は実績がついてくるだけ。厳しいブロックですが、ぜひとも愛知県民に久々の良い夢を見せて欲しいものです。

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