カッコ良いとか悪いとかは、人それぞれ価値観や感じ方が違うので一概には言えませんが、先日高山で「ちょっとああはなりたくないなぁ」という、僕としてはもの凄くカッコ悪い人たちを見かけました。

　僕たちの泊まったホテルは、市街地から少し離れた山の上にあるリゾートホテルですから、高山市街に出る人のために高山駅前までシャトルバスが出ています。クルマで出ると駐車場を探すのも大変だし、お酒も飲めないので、このバスを利用する客も多いのですが、夜7時発のバスに乗ろうとしている僕たちと同じようにバスを待っている4人組がいました。

　男2人女2人のこのグループ、男性は2人とも40代後半から50才くらい。ゴルフシャツ、頭は臭いくらいにポマード。自営業か中小企業の役員風。女性は20代半ばに見えるそこそこ派手な美人、でも日本人ではなく、いかにも東南アジア方面から来た出稼ぎ水商売系。バスを待つホテルの前でふざけながら写真を撮ったり、いちゃいちゃと絡んだりしています。

　バスに乗り込んだら、我々家族の前にこの4人組がそれぞれカップルで座りました。カップルで座ったにも関わらず会話は同性同士。男はもっぱらゴルフの話題。女はどうやら広東語のようですが、内容まではもちろんわかりません。女同士で話しているときはシビアな調子なのに、男と話す時は途端にトーンが変わります。このあたりもいかにもって感じ。

　男どもはどうやら出張ということで高山に来ているらしく、そのあたりの口裏合わせもしています。駅前で降りてからも、ふざけながら記念写真を撮ったり、まさに「嬌声」という言葉がぴったりの声を挙げて騒いでいます。

　僕とて聖人君子ではありませんし、もちろん女の子も嫌いじゃありません。しかし、そんな僕でも彼らには相当の嫌悪感を感じました。彼らに「悪いのか？」と言われれば「お好きにどうぞ」としか言いようがないのですが、いかにも日本の古いステレオタイプなオヤジの遊び方はダサイばかりで、スマートさがなく、なんともカッコ悪いのです。

　まず水商売の、しかも故郷に仕送りとかしていそうな外国人の女性を、お金で連れ回しているところがイヤです。また会社の出張を利用して、せこく遊んでいるところもイヤ。さらにその小狡さと下品さとダサさが前面に出ているような雰囲気とファッションがイヤでした。

　遊ぶ時はもっとスマートにカッコ良く覚悟を決めて、というのが渋い大人のやり方でしょう。彼らを見ながら「あんな大人にはなりたくない」って思った僕も、よくよく考えてみれば、実は彼らとそう大きく年は離れていません。もう少しマシな大人になっていると、自分では思っているのですが、もしかして五十歩百歩だったらイヤだなぁ。

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