ウィンブルドンを寝不足の目をこすりながら毎晩見ています。芝のコート特有の滑っていくような速いサービスで、エースを量産していくトッププロのプレーを見ていると、自分もあんな風にノータッチエース(本来エースというのはノータッチで決まったものを言うので、この表現はおかしいのですが)を決めてみたいと夢想してしまいます。
僕は大学時代に肩を壊して以来、あまり速いサービスが打てなくなりました。自慢じゃありませんが、子どもの頃から肩は強かったので、それまではフラットサービスで結構エースを取っていたのですが、社会人になってからは、ひたすらコントロールと配球でサービスを組み立てています。要はゲームを取れればいいのだから、エースを狙う必要はない、と割り切ってテニスをしてきました。
ただいつかまたエースを取りたいという夢は、実は心の中でずっと抱いていました。エースになるようなサービスがあると、ゲームの組み立てが随分楽になりますし、なによりも気持ちが良いのです。社会人の楽しみテニスですから、この気持ちが良い、というのは極めて大事なことです。
もう昔のようなスピードは戻りませんから、活路を見出すならやはりポイントは配球とコースです。タイガースの星野が90kmのスローカーブを巧みに織り交ぜることで130km出るか出ないかのストレートでも三振を取れるように、僕も相手の意識を他に向けさせておいて逆をつくサービスを打てばエースが取れるはずです。
この1年くらいは、そのための研究にずっと頭を費やしていたのですが、最近その成果が徐々に現れてきました。ここのところサービスゲームで2ゲームに1〜2本くらいはエースが取れるようになったのです。無論相手が僕よりもずっと上級の人では通用しないのですが、自分より格下の相手なら、結構狙ってエースが取れるようになりました。この精度を高めていけば、もっと上手い相手でもいつかエースが取れるようになるのではないかと思っています。
なんでも努力すれば上手くいくとは限りませんが、趣味でやっている程度のスポーツなら、ある程度は努力と工夫でなんとかなるもんだと思います。そしてできなかったことができるようになる喜びは、やはり格別のものがあります。またそれがあるからこそ、20年もテニスをずっとやり続けているんですけどね。
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