雪印は確かにミスをしました。非衛生的な管理で食中毒をひきおこすような製品を市場に出してしまったのは、大いに痛手です。しかし、それがわかった時点で、すぐに正確な状況を把握して公表し、製品の回収を迅速に図れば、まだ救いがあったと思います。
ところが雪印は虚偽の報告をしました。なんとか誤魔化してしまおうと思ったのです。最近流行の手口です。警察や官僚やマスコミなどでも往々にして使われています。大事なのは組織防衛。なんのためにその組織があるのかを問わず、とにかく組織を守るためにはどんなことでもする、そんな本末転倒なお家大事意識が今回の雪印の中でも働いたようです。
そして雪印は本当の大打撃を受けました。食品メーカーにとって一番大事な「信用」を徹底的に失ってしまったのです。例えば信用できない出版社というのはあります。でも本は中身を見て自分で善し悪しを判断できます。信頼性の低い電機製品は困りますが、よほどのことがない限り、命に別状はありません。すぐに壊れる自動車メーカーは、そう言われながらも現実にずっと存続しています。
しかし食品メーカーはダメです。消費者はメーカーを信用して買うしかないのです。信頼できないメーカーのものを口に入れる勇気はありません。パックに入った牛乳は、そのメーカーを信じて飲むしかないのです。
雪印が長い歳月をかけて築き上げた信用は、今回の事故とその後処理のまずさで完全に崩壊しました。よく言われることですが、信頼関係を築き上げるには長い時間がかかりますが、それを失うのは一瞬なのです。雪印ブランドをここまで営々と築いてきた雪印OBや、真面目に仕事している現役社員たちにとって、これほど腹立たしい事件はなかったことでしょう。雪印が失ったものの大きさを思い知らされるのはこれからです。
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