幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 5月12日 ● 直球しか投げない人。

 この「コーカイ日誌」で悪口を書くと、決まって誰かが「あれってわたしのこと?」と聞いてきます。そんな本人に直接それとわかるような書き方するわけないじゃん、と答えておきますが、実際には読ませたくて書いている時もあります。もっとも、関係ない人ばかり読んでいて、読ませたい当人だけは、そういう時に限ってたまたま読んでいなかったりするんですけどね。

 と言うことで、これから書くことも、決してあなたのことではありませんからご安心を。

 よく議論とか交渉事になると正論を言って譲らない人がいます。背筋伸ばして目はあくまでも真剣、笑みすら浮かべずひたすら正面から筋を通して意気軒昂、というタイプの人です。本人は至って当然のことを主張しているまで、と思っているのでしょうが、周りから見れば自分勝手な理屈をこねているだけとしか映らないこともしばしばです。

 そもそも筋を通して、と言っても、それは言っている本人から見た筋であって、立場が違えばモノの見方も変わってきます。対立している相手にとっては全然「筋違い」だったりすることも多いのです。

 相手を言い負かそうと必死になっている本人は気づいていませんが、こういう時は端から見ていても「困ったもんだ」と思われるだけ。自分の主張を通すためには、お互いに妥協点を見出さなければならないし、本当に交渉上手な人ほど相手も呑みやすい「落としどころ」を考えながら話をつけようとするものです。

 単に相手を言い負かしても、特にビジネスの現場では全然得にならないどころか、かえって相手を傷つけるだけで損する場合も多いと思います。満足しているのはその人のプライドだけでしょう。人の言葉の裏を読みながら、うまくお互いが納得できるような落としどころを考えられる人が「交渉人」になれるのです。

 もっとも、あんまり裏ばかり読むような駆け引き上手をずっと相手にしているのも疲れますけどね。変化球ばかり投げる人をずっと相手していると、時々直球勝負が恋しくなることもあります。かつてロッテの落合が阪急の山田と読み比べ勝負を散々した後、セ・リーグに移籍した時に一番楽しみにしていた相手が江川だったとか。落合は直球とカーブしか投げない江川相手に、今度は力比べをしたかったのではないかと思います。


とりあえず、読むたびに(1日1回)


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