幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 4月19日 ● 英語は会話よりも読み書き。

 最近英語公用語論が飛び出すなど、ますます英語熱が高まっているような気がしますが、本当に英語が誰にでも必要なのか、特に巷間伝えられるような「英会話」が必要なのか、僕はかねがね疑問でした。そんなの、単なる英語コンプレックスなのではないかと。

 ビジネスで英語を使う人はともかく、普通に日本で生活しているだけなら、日常的に英語を話す機会なんてほとんどありません。1年に1回海外旅行に行っては「やっぱり英語やらなくっちゃ」と英会話スクールに入るようなOLも、結局その海外旅行の時にしか英会話は必要ないのです。大学卒業から仮に30才で結婚するまでのOL生活8年間で海外旅行に8回行っても、せいぜい通算で60日くらいしか英会話の機会はありません。学生時代や結婚してからも海外旅行にたまに行くとしても、トータルで生涯100日間にも満たないことでしょう。一生でわずか数十日のために、公用語にしてまで英会話を全ての日本人が学ぶ必要があるのでしょうか?

 それに多分誰でも感じているように、語学、特に会話というのは必要に迫られれば、一気に短期間で上達するものです。英会話が一番上達するには、とにかく英語しか通じないところに放り込まれて無理矢理にでも覚えさせられることです。短期間に浴びるように集中的に勉強すれば、そこそこ英会話は出来るようになるのです。ビジネスで必要な人には、そうやって身につけさせれば1〜2年である程度のコミニュケーションは図れるようになるはずです。

 逆に言うと、細く長く勉強しても、英会話においては労力の割にあまり効果はないということにもなります。それは日本の英語教育を見れば一目瞭然です。中学から大学まで10年間英語を勉強したからと言って、それで話せるようには決してなりません。多大な時間と労力をかけても全然話せないのなら、それはやり方が間違っているのです。

 僕はこれからの日本人にとって英語は会話よりも実は「読み書き」の方が大切だと考えています。もちろんそれはボーダーレスなネット社会が前提にあります。海外の人とネットを通じて情報交換をしたいのなら、やはり英語を読んだり書いたりできないと不便ですし、それは少なくとも海外旅行で英会話する機会よりは、今後多くなるだろうと思われるからです。また語学を学ぶことでその国の精神文化まで学ぶという効果を考えても、会話よりも読み書きの方が意味があります。それに細く長く続けて効果が上がるのは、会話よりも読み書きの方ですから、学校教育にも向いています。

 僕の考えでは、中学から教える英語は、ネット社会における基礎コミニュケーション用の知識として捉えたカリキュラムにし、英会話は全員が学ばなくても良い選択制にします。その代わり会話を選択した生徒には集中的に実践的な授業を行い必ず話せるようにするべきだと思います。そして英語の代わりにもっと国語の時間を増やして、論理的に文章を書いたり話ができるような技術を身につけさせることが必要でしょう。

 よく言われることですが、真の「国際人」とは英語が話せるだけの「英語屋」さんではなく、母国語であっても、自分の頭できちんと筋道を立てて論理を展開できる人のことだと思います。そのためには英語よりもまず日本語でしょ、やっぱり。

 
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