幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 4月5日 ● 「保守党」というネーミング。

 小渕首相の入院から内閣総辞職という政界の大激動のせいで、小沢自由党から袂を分かった野田保守党もすっかり脇に追いやられてしまいました。いきなり初手からケチがついた感じです。せっかく華々しく新党を結成して、連立政権の中でうまく泳いでいこうとしていたのに、それどころではなくなってしまいました。

 最初で最大のアピール時を逃したのは、近づく総選挙の時にも大きな痛手です。「保守党?そんな政党あったっけ?」と言われるのがオチですからね。商品を売る広告でも同じですが、登場時にどこまで認知率を上げていけるか、好感度を獲得していくかはかなり重要なことです。最初にこけると後で取り返すのが非常に難しくなりますから。そういう点では有珠山と小渕に挟まれた保守党は、もともと運のない政党なのかも知れません。

 それにしても「保守党」というネーミングは誰が考えたのか知りませんが、思いっきり意表をついてきましたね。誰もが考えるのは「新○○党」とか「新党××」なんてものなんですが、全く逆の古臭いイメージの「保守党」ですからね。いくら英国の2大政党の名前だからと言っても、古いもの好きな英国はいざ知らず、日本では普通「保守」という言葉はあまり良い響きではありません。

 保守的と言えば、大体守りに入っていて進取の気性に乏しいという感じですし、ダイナミズムとか変革とか前に進むパワーとか全く感じられません。頑固で古臭くて鬱陶しい、そんなイメージです。新進党とか太陽党とか自由党とか、最近の一連の流れからすると、随分マイナーなネーミングをしたものです。

 もちろん政党の名前というのは、本来その政治姿勢を表現しているべきです。共産主義者の政党だから共産党、というのが一番シンプルでなおかつ誤解のないネーミングです。逆に「自由民主党」とか「公明党」なんて、一体どういう政治理念がある人たちなのか、全然ヒントにもなっていません。「自由民主党」と「自由党」と「民主党」の違いはどのあたりにあるのか、誰かきちんと説明して欲しいものです。

 そういう意味では「保守党」が保守主義を前面に打ち出していく政党だから「保守」なんだ、という説明があるのなら納得もしましょう。しかし、どう見ても旧民社党系が多いあの「保守党」が、そんな理屈が通った姿勢を持っているとは考えにくいです。単に「新」がつく言葉を思いつかなかったか、敢えて差別化を図るためにネガティブイメージのする言葉を選んだのかはわかりませんが。

 僕たちもキャッチフレーズやネーミングを考える時に、普通使わない、思いつかないような言葉を選んでショックを与えようとすることがありますが、外しすぎてわかってもらえずにダメということもしばしばです。「保守党」もそんな感じがします。まさか有名コピーライターが考えたとかいうことはないでしょうねぇ。

 
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