プレステ2を購入以来、またゲームをやり出すようになって寝不足の日々が続いています。30代前半までは狂ったようにゲームをやっていて、よく周りから「バカじゃないの」と言われていたものですが、ここ数年はすっかり醒めてしまって、『信長の野望』の新作以外は、ほとんどはまることがなかったのですが、これでまた昔のペースに逆戻りです。

　高校卒業と同時にインベーダーゲームにはまって以来、僕がはまったゲームは数知れずあるのですが、その中のひとつにナムコの「ファミリースタジアム」シリーズがあります。ご存知の方も多い野球ゲームの大定番なのですが、これにもっともはまったのは、もうかれこれ10年ほど前のことでした。

　当時会社の先輩で高校の先輩でもあるＹ田さんという人がいました。東大を出ているくらいですから頭は良いのですが、ちょっと無駄に頭が良いところがあって、優れた能力を妙なところにばかり使うような子どもっぽい人でした。しかもかなりの女好きでしたから、いろいろとお茶目なエピソードを数多く持っていました。

　このＹ田さん、頭が良いだけあって、野球や相撲のシミュレーションゲームをするのも大好き。小学生の頃から疑似野球ゲームや相撲ゲームを自ら考案して記録をつけて楽しむ暗い（？）少年だったようです。僕も似たような面を持っていますから、彼の楽しみ方は良く理解できます。

　そんなＹ田さんと僕が揃ってのめり込んだのがファミスタでした。このゲームは一人でコンピュータ相手にやっているよりも、駆け引きのある対人プレーの方が100倍楽しめます。当時、実力的には少し僕の方が優っていたのですが、それでも強いチームをＹ田さんが担当すれば互角に楽しめるくらいの腕の差だったので、二人でずっぽりとはまってしまいました。

　僕たち二人は会社を抜け出しては、クルマで10分弱のＹ田さんの家にタクシーを飛ばして行き、2時間で6試合くらいこなしては、また会社に戻るという日々を過ごしました。あまりにも熱中すると、一旦会社に戻ったのに、また夕方からＹ田さんの家に行き、夜までプレイしていたこともしばしば。当時僕もＹ田さんもすでに結婚していて、特にＹ田さんは新婚だったにも関わらず、僕たち二人は完全に子どもに戻ってしまっていたので、Ｙ田さんの奥さんには随分と迷惑もかけました。

　二人の試合結果は全て記録し、個々のチーム及び選手ごとの記録もまとめました。まだパソコンが一般化していなかった時代だったので、記録の整理は全て手で紙にまとめました。ゲームをするにも時間がかかりましたが、その記録の整理にもまたバカみたいに時間と精力を割いたものです。あれを人生の浪費と言わずして何を浪費と言うのでしょうか。

　結局2年近く、2人で700試合余りをこなしたところで、Ｙ田さんが海外へ赴任することになってしまい、あっけなくこの熱い時代は終わりを告げました。今でも無駄に頭の良いＹ田さんは、香港でこの「コーカイ日誌」を愛読してくださり、時々メールで感想をくれます。大抵はくだらない内容ですけどね。

　で、僕が現在プレステではまっているゲームが、このファミスタシリーズの後継になる新作「ワールドスタジアム4」です。昔と違って、全て記録はゲームの方がまとめてくれます。コンピュータのプレーぶりも賢くなって、簡単には勝たせてくれません。時代は進歩したなぁ、としみじみしてしまう反面、やはりコンピュータに勝つよりもＹ田さんに勝つ方が嬉しいな、とも思います。なにせ子どもっぽい人ですから、負けた時の悔しがり方が見ていて楽しいんですよねぇ。Ｙ田さん、香港でワースタ練習しておいてください。日本に戻ってきたらまたやりましょう。ゴメスはあの頃の「おみあい」くらい打つよ。

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