幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 3月30日 ● 株には手を出すな。

 昔から堅実な家庭では「株には手を出すな」と言われ続けてきたものです。それは単に大損する可能性のあるリスキーなものだから、という意味だけではありません。株というのは例え上手く儲けたとしても、額に汗して稼いだ金ではなく、濡れ手に粟で手に入れたあぶく銭だから、結局本人のためにならない、という戒めでもあるのです。

 実際、10年前のバブルの頃に本業そっちのけで財テクに走り、本業もろともに傾いてしまった企業や個人投資家は枚挙にいとまがありません。損失補填してもらった大手企業はともかく、多くの個人投資家は大火傷をおったことを、よもや忘れたはずもないと思うのですが、最近の株式投資ブームは、そんなことは過去の話、今買わないでいつ買うんだ、というほど熱狂的な感じです。

 すでに証券会社はバブル期と遜色ないほどに儲かっているそうです。しかも当時は影も形もなかったネットトレーディングが今後ますます盛んになっていくことを思うと、さらに株式市場への資金流入は膨れ上がりそうです。本屋に行けば株式入門書の類が棚を大きく占拠し、オヤジ系週刊誌だけではなく、女性誌やヤング誌でも株式投資特集を組んでいる有様。ネットによるデイトレーディングも大いに取り上げられていて、短期間で簡単に儲かると喧伝されています。これで高利の定額貯金が続々満期になる4月以降になったら、一体どういうことになるのか怖いくらいです。

 しかし、本来の株式投資というのは、もっと穏やかで健全なもののはずです。アイデアや技術があるけど資金がない人に対して株式投資というカタチで起業をサポートし、その事業が上手くいった時に相応のリターンが返ってくる、というのが株式投資の基本です。アメリカの多くのネット長者たちも、そういう投資家によって成長してきたのです。

 現在の日本の株式ブームのように、儲かりそうな業種なら個々の会社の事業内容もろくすっぽ検討せずに買いまくるというのは決して正しい姿ではないし、むしろきちんとした起業家を育てる障害にすらなりかねません。「株には手を出すな」とまでは言いませんが、一攫千金を夢見てバブル期の浮かれまくった、そしてある意味では荒廃した世相を繰り返す愚だけは避けたいと思いますって、僕が思っただけでは、どうしようもないんだけど。
 
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