幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 3月7日 ● 「BSマンガ夜話」13シリーズ。

 コンテンツの時代と言われて久しいわけですが、NHKはまさにコンテンツの宝庫。よく古い紅白歌合戦とかNHKスペシャルとか新日本紀行とか再放送していますが、現在進行形の番組でありながら、すでに優良コンテンツとして再放送もされているのが衛星第二の「BSマンガ夜話」です。

 この番組を知らない人のために簡単に説明しますと、1996年8月より不定期にBS−2で放送されている生番組です。毎回1つのマンガを題材に選び、錚々たるマンガの論客たち(いしかわじゅん、夏目房之介、岡田斗司夫、大月隆寛ら)が徹底的に趣味に走ったトークを繰り広げます。放送開始直後からマンガ好きの間では大評判となりシリーズ化。今週から第13シリーズの放送が始まりました。

 この番組の面白さは、とにかくレベルの高いマンガ好きが、あるレベル以上のコアなファンだけを相手にしてトークしている、そのオタク性の高さにあります。マンガに対する広範な知識を持っていないと、いしかわじゅんや岡田斗司夫がなにを話しているんだか半分もわかりません。反面、詳しい人間にはそこがたまらない魅力になってきます。かつてゲストで出演した渡辺いっけいが、「この番組に出ることが夢でした」と言って「小さい夢だな」とレギュラー陣にからかわれていましたが、同じマンガ好きとしては渡辺いっけいの気持ちが良く理解できます。僕もこんな「わかっている」メンバーと好きなマンガについて語り会えたらさぞかし楽しいだろうと思いますから。

 もっと言えば、こういう濃い番組が、番組として成り立っていること自体に魅力があるとも言えます。もちろんそれは視聴率をほとんど気にしなくて良いNHK衛星放送だからこそ、ということもあります。これが民放ではここまで濃い番組作りはできないでしょう。恐らくはもっとエンターテイメント化、バラエティ化を進めてしまい、それゆえに本当のこの番組の面白さを見失ってしまうことになると思います。ここまでマニアックな番組が受け容れられるというのは、日本の視聴者がかなり成熟してきた証左でしょう。

 さて、今週の第13シリーズの最大の見物は9日木曜日放送予定の「陰陽師」(岡野玲子、夢枕獏)です。作品自体も傑作ですが、なによりこの日のゲストが原作者の夢枕獏と少女マンガの巨匠萩尾望都なのです。手塚治虫は別格として、萩尾望都は石ノ森章太郎や永井豪と並ぶマンガ界のビッグネーム中のビッグネーム。果たして彼女がテレビでどんなマンガ評を語ってくれるのか、ファンならずともこれは見逃せません。

 
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