幹事クリタのコーカイ日誌2000

 
 3月3日 ● プレステ2とネット通販。

 報道によると早くも秋葉原ではプレステ2を求めて行列を始めているとか。インターネット予約で当日入手することは不可能になった以上、電器屋に三日三晩並んででも、というマニアがいるというのもわからなくはありませんが、ソフトならともかくハードにそこまでの情熱が傾けられたのは記憶にありません。ソフトなければただの箱、なのにキラーソフトがない現状でこれだけ売れるというのは、いかにソニーのマーケティングがうまいかという証明です。

 プレイステーション・ドットコム・ジャパンからは不正アクセスに関するメールがきました。新聞報道などでご存知のように、予約時の受注番号を入力すると他人の受注情報にもアクセスできた件での説明とお詫びです。幸いクレジットカードの番号までは知られていないということですが、商品発送のための住所や電話番号が漏れただけでも大事です。予約開始直後のパニックといい、どうも失態続きという印象ですが、それがまたかえってプレステ2の人気の高さを証明しているようなイメージを植え付けてもいるのですから、競合他社にとってはいらいらも募ることでしょう。

 それにしても今回のプレステ2のネットでの予約販売は、日本におけるインターネット通販のブレイクスルーになるかも、という予感がします。アメリカでは日本よりはるかに先行してネット通販が広がっているそうですが、日本ではまだまだ一部の先端的な人のものであり、一般への普及は技術的・心理的障壁からもう少し先のことになると思っていました。

 ところが今回のプレステ2で、それまでネット通販に見向きもしなかった人が一気にその壁を超えてきました。これは日本の流通上の大きな転換点です。これまで何となく手を出さずにいた層が、これで一度味をしめたことによって、今後はどんどん積極的にネット通販を始める可能性が大きいからです。

 店を構え商品を運び在庫を抱え人件費をかけてモノを売ることを考えると、ネット通販ははるかにコストを抑えることができます。当然それは小売り価格に反映されます。今回のプレステ2もメーカー直販なのに(だからこそ)、いきなりネットでは定価より安く発売されました。もちろんゲーム機だけではなく、パソコンも本も金融商品も、あらゆるものがネット上では安く売られるようになるはずです。すでに「楽天」とか「松井証券」とか、目端の利いたサイトが続々と急成長を遂げています。もっともそうなると一番儲かるのは実は物流業だとも思いますけどね。

 秋葉原に並ぶ若者だけを見ていると、ドラクエ3発売時の行列と同じように思えるかもしれません。しかし同じに見えてその背景は全然違うということを理解していない流通は、21世紀に生き残ることは難しいでしょう。



 
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